Index|Before|After
昨日のやべっちFC、Jが終わったからもういいや、とテレビを消して風呂に入った 土曜(18日)関西遠征の続き・西京極編です。この日の私のめあては、one and onlyで 角田さんでした。望みはただ一つ、日立台で沈黙を通し―かつU-20チームへの不満を 語った彼が、J1残留を成し遂げ、代表…世界大会への熱意を取り戻してくれること。 それがいかに無謀な、的外れな望みとは分かっていても、望まずにいられないのです。 今の彼は右SB―だから、きっちり彼の上がりが見えるポジションで観戦。今でこそ CBマニアですが、かつての私はSBの動作に心酔していた人。SBはDFでもありますし、 同時に攻撃の起点にもなるポジション。もう彼は素人SBではいられないのです。 開始直後に手島さんがバックパスをミスし失点の危機に晒されてから、ずるずると ラインは後退し(手島さんは特に前半、目を覆いたくなるほど精彩を欠き、心身ともに 相当追いつめられているんだと悲しくなりました)決定的なピンチを量産しました。 あれで失点しなかったのは、運(と相手の決定力不足)としか言いようがありません。 力あるパーツを地味に緻密に組み合わせたマリノスの前に、角田さんは第3CBとして 働く時間が長くなります。手島さんの不調は斎藤大介さんが奮闘してカバー、 平井さんも踏ん張ってくれました。一方のオフェンスは、ミッドフィールドを ロストした構成(キープできる人がいない。松井さんは左サイドで自ら進んでいく人)で サイドからのボールをFW(主に黒部さん)が点で合わせるしかない有り様。苦しいです。 MDPでさえ、サイドからのクロスを強調しています。頭に合わせようとするだけでは、 フル代表の守備の要である中澤さんの守るゴールは簡単には破れないのに。 そのパターンの乏しさには切なくなりました。松井さんは一時のトリッキープレー中毒を おそらく恣意的に脱し、シンプルに状況を打破しようとするのですが、そんな彼を 評価したい反面、なんだかそれは松井大輔らしくない、とも感じたのでした。 日立台から帰還翌日、コーチに止められるまで右サイドからクロスを上げ続けていたという 角田さんは、後方からのフィードとは違う、SBとしての直線的なクロスを何本も 入れていました。彼よりクロスの下手なSBはいないとも言われていますけど、 私はそうは思いませんでした。どこかの、絶不調に陥った元フル代表SB@橙などに 比べたら、余程鋭くてゴールに近づける感じを受ける、スピーディーなクロス。 ただ、いかんせん、クロスが良くても点が取れるとは限らないのです。一点勝負でしか シュートの打ちようのない攻撃では、黒部さんにかかる負荷が大きすぎます。レジは(自主規制) クロスだけではなく、相手DFを抜き去っていく動作も、まさにSBでした。もともと 攻撃大好きとはいえ。しかし、すいすい抜き去った後ほど、最後の仕事―ボールの リリースは完璧でなくてはオーバーラップの意味はないのです。それが、SBというもの。 そしてピム監督は後半15分ほどでサブのアップを完全に打ち切らせ、先発メンバーとの 心中をはっきりとさせました。最後の最後に出てきたのが中村忠さんであったあたりも、 首位マリノス相手に最下位サンガとしてはドロー狙いでいっても十分、という ゲームプランニングがうかがえます。しかし、私は点で合わせるなら町田さんだし、 ゲームに緩急を大野さんがつければ、また違ったものになったのではないか、という 「たられば」から逃れることができません。田原さんも見たかったですけど。 最後の最後まで勝ち点奪取に燃えていたのはサポーターでした。黒部さんのコールは 今2種類あるんですね…「サンガのくろべえ」しか分かりませんけど。そして、 タイムアップのホイッスル直後、よく守り切ったと称賛されても良さそうな角田さんは ただ一人、ピッチに座り込み、挨拶に来ても硬い表情を一切崩さず、悔しさを にじませていたのでした。それでいて、出したコメントはドローでよし、なんですが。 このままでは、彼が西京極に思いを残さずにワールドユースへ参戦するのは難しいと 思いました。私のむちゃくちゃな願いは、角田さん一人の力では実現できないのです。 そして、角田さんを必要としているのはサンガだけではなく(今日、右SBの安藤さんを 大宮から獲得しましたが)U-20も全く持って例外ではないのです。 ―闘う気持ちが消えない限り、事態を変えていくことができる。
|