anxious for Heaven

鳥かごなんて、最初からなかった。

Past : List : Will
2005年02月18日(金) アップルパイ
昨夜から嫌なことがあり
(二人の問題ではない)
お互いにテンションも低いまま
発散することも出来ないまま、朝。

冬寿は、寝込んでいる私を気遣って、一声かけてから出勤していった。
私はうだうだと具合も機嫌も悪いまま、9時半に起きる。

イライラが止まらなくて、壁に頭をがしがしぶつけていたら
偶然外を通りかかった、同じアパートの住人に見られた。
(角部屋なので、階段を下りていると聞こえるのだろう
階段側の壁に頭を打ち付けていたし)
同じタイミングで冬寿から「具合、大丈夫?」とメールが入り
馬鹿らしくなってその行為を止める。

イライラしたまま、夕食の下準備にとりかかる。
そぼろ丼のために、鶏肉を挽くところから初め、味付けまで終わらせる。
まいたけの入ったご飯を炊く。かぼちゃとたまごの煮物を作る。

いつもなら、料理をすればある程度は気分転換になるのだけれど
落ち着かないので、携帯からメッセンジャーを立ち上げてみた。

お兄さん的存在、2名と会話して、少し紛れる。
(Fさん、オニータマ、ありがとうございます)
その後、某所で仲良くなったZちゃんとメールをしたり。
彼女は ( ´∇`) こんな人柄なので、こちらも気持ちがほっこりする。
彼女と話したくなるのは、その人柄もあるけれど
環境の類似が大きいのだろうな、と思う。

年下の彼、同棲中、日中はひとりで家にいる、知人の皆無な地での生活。

Zちゃんとのメールを終わらせた後、買い出しに出かけてみた。

落ち込んでいるのはきっと、冬寿のほうだよな、と考える。
相手への怒り、自分の甘さへの失望、私を巻き込んだことへの後悔。
無論、私の間接的な怒りへの恐れもあるだろうし。

明日は休みだから、今夜は家で存分にのんびりしよう!
昨夜、寝る前にそう話していたことを思い出す。

スーパーで冷凍パイシートとりんごなどをかごに入れた。
食費ではなく、自分の財布からお金を出す。
(混同しないよう、財布そのものを別にしてある)

家に帰り、りんごを煮てフィリングを作る。パイシートに詰めて、焼く。
40分弱で焼き上がった。これに生クリームを添えよう。
彼の実家から頂いた美味しいコーヒーと
私が伯母からお土産に貰ったハロッズの紅茶をいれて
食後はのんびりアップルパイを食べよう。ゆったりくつろごう。

食事の支度は前からやっていたし、好きだったけれど
お菓子作りなんてしなかった。だから勝手もわからない。
それが、最近は(自分にしては)高い頻度で、何かしら作る機会が増えた。
マドレーヌを焼いたり。白玉汁粉を作ってみたり。ティラミスを作ったり。
パウンドケーキも、いちごのレアチーズケーキも作ったな。一ヵ月で。
ケーキ型もパイ皿もハンディーミキサーもない。道具なんてない。
あるもので、最低限の仕上がりだけを目指すけど
喜んで食べてくれるのが、何より嬉しい。

イライラが止まっていた。

作ることだけで発散できたわけじゃない、けれど
私のほうはそれでマシになったのだから、今度は
帰宅した冬寿が、食べることで少しでも紛れたらいいな、と思う。

美味しい食事は、きっと人生の楽しみの基本だよ。

まだ、残業中だけれどね。

一緒にいられると思ったのは
たぶん、間違いじゃない。
written by:Kyo Sasaki
☆メール☆
かこ : りすと : みらい

enpitu union