橋本裕の日記
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2008年02月26日(火) カラスの子はカラス

 散歩をしていると、カラスや鳩が群れている。カラスも鳩も自分の姿は見えないはずだ。ところが彼らは群れを作っている。だから、私の目には彼らは自分が何の仲間であるか了解しているように見える。

カラスは自分がカラスであり、鳩やトンビでないことがどうしてわかのだろうか。鳩やトビは自分がカラスでないことが、なぜわかるのだろうか。

人の場合は鏡に映してみて、自分がどんな姿をしているかわかるが、動物たちは鏡を見ても、そこに写っているのが自分だと認識さえできない。それにも関わらず、ちゃんと自分が何であるかわきまえている。配偶者をまちがえることもない。

 たぶんこれには生い立ちが関係しているのだろう。カラスはカラスの親に育てられることで、自分がカラスであることを自然に認識する。このようにして、カラスの子はカラスになり、トビの子はトビになる。

だから、カラスもトンビの親に育てられたら、自分をトンビだと勘違いするかも知れない。むかしオオカミに育てられた少女がいたが、その少女は自分をオオカミの仲間だと考え、オオカミのようにして野原を走っていたらしい。人間社会に復帰してからも、どうしても自分を人間として認識できなかったようだ。

ペットの犬などでもあまりあまやかして育てると、自分を「人間さま」と勘違いして、とても横柄にふるまうようになるという話を聞いた。動物たちが自分についてどんな自己認識を持っているのか、またその自己認識はどのようにして生まれるのか、実のところまだよくわかっていないようだ。


橋本裕 |MAILHomePage

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