橋本裕の日記
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さっそく買ったばかりのビデオカメラを持って散歩に出た。天気がよかったのと、あたりがうっすらと雪化粧をしていたので、これは絶好の撮影日和だと思った。
家を出て木曽川の堤防まで、ナレーションを入れながら、田んぼや民家の様子を撮して歩いた。いつものようにベートーベンの「歓喜の歌」を歌い、万葉集の歌も朗読した。
うらうらと照れる春日にひばりあがり こころ悲しもひとりし思へば
わが宿のいささむら竹ふく風の 音のかそけきこの夕べかも
信濃なる千曲の川のさざれ石も 君し踏みてば玉とひろはむ
木曽川の堤の上で、いつものように腕ふり体操や腕立て伏せをしてから、また、ビデオカメラを抱えて歩き出した。ふたたび万葉集の歌を高唱し、いろいろと勝手な解説を加える。そうして歩いているうちに、陶然として、すっかり自分の世界に入り込んでしまった。
途中、小さな子どもや若いご婦人とすれ違ったが、おじさんが笑顔でビデオカメラを抱え、大声で歌を歌いながら歩いているのを見て、ちょっと驚いたのではないだろうか。
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