橋本裕の日記
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釈迦は人生苦の代表として、「生」「老」「死」とともに「病」をあげている。「病」にかかると、発熱、悪寒、頭痛、下痢といった不快な症状があらわれる。これを押さえるために、私たちは薬を飲む。不快な症状をやわらげてくれる薬はありがたい存在だ。私もこれまで多くの病気をし、たくさんの薬のお世話になっている。その代表格がアスピリンだ。
昔から病に効くさまざまな薬草が知られていた。たとえば柳の木が解熱,鎮痛作用を持つことが、ヒポクラテスの時代には知られていた。19世紀になって柳に含まれるサリチル酸に、解熱,鎮痛作用があることがつきとめられた。ただし、サリチル酸には副作用として強い胃腸障害がある。
1897年にドイツの化学会社バイエル社のフェリックス・ホフマンが、サリチル酸をアセチル化することで副作用の少ないアスピリン(アセチルサリチル酸)を合成した。アスピリンは世界で初めて合成された医薬品だそうである。ウイキペディアの「アスピリン」から引用しておこう。
<第一次世界大戦後のアメリカでは禁酒法や大恐慌などによる社会的ストレスからアスピリンを服用する人々が激増しアスピリンエイジという言葉が生まれたほどであった。また,アスピリンには血管を拡張する効果もあるため,少量のアスピリンを毎日摂取することで脳血栓や心筋梗塞などを予防できるといわれている。
特にアメリカでは疾患を持っていなくても日常的にアスピリンを飲む人が多く,現在でもアメリカはアスピリンの大量消費国であり年間に16000トン,200億錠が消費されている。但し,アスピリンは過剰摂取すると胃潰瘍などの諸症状を引き起こす。さらに,鎮痛作用が仇となって,多くは致命的な合併症となって始めて病に気付く事が多いため,注意が必要である。
アメリカでは年間で10万人弱が副作用の胃痛で入院し,2000人が死亡していると言われている。アメリカにおける薬の副作用被害の4分の1を,アスピリンが占めているとも言われている>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%AA%E3%83%B3
昔から身をもち崩す三大道楽といえば、「酒を飲み、ばくちを打ち、女を買う」だった。しかし、現代のストレス社会に生きる庶民にとって人生の代表的な風景は、「胃薬を飲む、鬱になる。一攫千金を狙って宝くじを買う」ということらしい。これを反映してか、日本の年間の医療費は上がり続けていまや31兆円だという。これはGDPの8パーセントである。しかし、日本はまだ医療費が少ないほうで、G7では一番少ない。
アスピリン大国のアメリカはなんと医療費がGDPの15.3パーセントも占めている。人口千人あたりの医師・看護婦数でも、日本はOECD各国のなかで最低水準である。これで世界一の長寿国を実現しているのだから、日本の医療制度は世界一「効率がよい」といえる。日本の官僚も政治家たちも、この庶民にやさしい安上がりの医療制度を「改革」して、製薬会社がもうかるアメリカ型の医療制度にしたくてしかたがないのである。
(今日の一首)
初もののスイカを抱え妻笑う 記念写真を携帯で撮る
台風がくるというので、妻がいそいで畑に出かけ、大きなスイカを二つばかり収穫した。そのひとつを抱えた妻の写真を携帯で撮った。
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