橋本裕の日記
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| 2006年02月25日(土) |
皇室の男児出産に期待 |
2/7の紀子妃ご懐妊のニュースを、午後2時13分ごろ、衆議院の予算委委員会の席で知らされたときの小泉首相の様子は気の毒だった。私はこれを夜のNHKニュースで見たが、秘書官からメモを渡されて、驚く様子が全国に放送されてしまった。
NHKがご懐妊のニュースを流したのがこの5分前だった。こうした大切なことが一国の首相に知らされていなくて、テレビをみた秘書官から渡されたメモで初めて知るというのは、小泉首相がいかに裸の王様になっているかということだ。
このあと、小泉首相は安部官房長官に誘われて別室で入り、安部長官から「皇室典範を改正するというのなら、辞職したい」とほのめかされたようだ。会談を終えて部屋から出てきた小泉首相は顔面蒼白でやつれきっていたという。
それにしてもNHKは大胆なことをした。妊娠6週間で発表するというのは異例の速さだ。普通は安定期を迎えた3ケ月ごろだという。かって雅子妃のご懐妊を7週目に報道した朝日は批判された。NHKがこれをしたのは、だれか実力者の了解があったからだろう。
さて、皇室典範を変えて「女性天皇」や「女系天皇」を認めることについて、「皇室典範は憲法に規定される男女同権に矛盾しており、男系天皇に拘ることそのものが憲法違反だ」という意見がある。私もこれに同意したい。
与党の大物政治家が「皇族には人権はない」と発言していたが、天皇は人間宣言もしているし、人間である以上、人権は認めるべきでだろう。また当然のことだが、憲法に矛盾するような典範は改革した方がよい。この点で、私は小泉首相に賛成である。
憲法は天皇を国と国民統合の「象徴」として位置づけ、天皇の地位は「国民の総意」に基づき(第一条)、皇位は世襲で「国会の議決した皇室典範の定め」により継承する(第二条)としている。
これを受けて皇室典範は、皇位継承資格を「皇統に属する男系の男子」に限り、継承順位を皇族のうち(1)直系(天皇の子、孫)(2)長系(兄弟では年長)(3)近親(天皇に近い血縁)が優先としている。
さらに皇室典範は側室、養子を禁じ、昭和天皇の弟君以外の11宮家も昭和22年に皇籍を離れた。ところが皇室には秋篠宮を最後として、この41年間男子の皇族が一人も誕生しなかった。他の宮家のお子さんも8八全員が女子だった。(これはすごいことです)
ところで私は皇室典範の改正はあってもよいと思っているが、妻は「男系でなければいけない」という。その理由は女系も認めると、女性皇族にも宮家創立を認めなければならなくなり、宮家が増えて国民負担がますからだという。たしかに戦前のように宮家が増えてはかなわない。
しかし、男系の場合でも、宮家はふえる。むしろ女系よりもさらに増えるのではないだろうか。男系を認めることになれば、さしあたり終戦と共に廃立された旧皇族十一宮家を60数年ぶりに復興することになるからだ。
しかしそうまでして宮家を復興しても、皇太子妃や秋篠宮妃に男のお子さんが生まれない限り、昭和天皇はおろか明治天皇の血筋さえ途切れることになる。現時点で男系に拘れば、約600年も昔の室町時代の天皇にまで遡らなければならない。男系といっても現在の皇室とあまりにかけ離れている。これで国民や皇族方の理解が得られるだろうか。
いろいろ勘案すると、たとえ今回秋篠宮に男児が生まれても、そもそも男系相続はいずれむつかしくなり、女系天皇をみとめる方向にならざるをえないのかもしれない。いずれにせよ、あまり宮家ばかり復活してほしくはないので、さしあたり紀子さまや雅子さまの男児ご出産を大いに期待したいと思う。
(参考サイト) http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20060212/ col_____sha_____001.shtml
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