橋本裕の日記
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3年ほど前に、友人の北さんに薦められて、新聞の投書欄に投稿をはじめた。これまでに30編以上の投書が掲載された。ほとんどは朝日新聞の「声」の欄への投書だが、たまに「岐阜新聞」や「毎日新聞」へも書いた。
いずれもE−メールやHPのフォームからの、インターネットによる投稿である。不精者の私は葉書に文字を書いて投書ということが苦手で、地元紙である「中日新聞」へは書いていない。
現在の日本や世界の情勢を見ていると、「怒り」がこみ上げてくる。その思いのたけを、こうしてHP日記に毎日吐き出しているわけだが、そのなかから適当なものを選ぶ。そして、HPの日記の文章では長すぎるので、一部を切り取ったりして、文章を整えてから投書する。
高々5、60ヒットのHPと違って、社会の公器である新聞の文章は何十万、何百万という不特定多数の人々の目に触れるので、そのリスクも覚悟しなければならない。昨日の日記にも書いたが、脅迫電話を受けることもある。
真夜中の1時にたたきおこされ、1時間以上も説教され、「ご説はわかりました。もう遅いのでお引き取り願えますか」と言ったとたん、相手は切れた。「教育委員会に電話してやる」「家族のことを考えろ」など一方的に怒鳴り散らす。
明くる日も同じ男から電話が何回かあり、私が外出中で妻が出たときには、「そちらに行くから、じいさんにそういっておけ」と50歳そこそこの私を「じいさんよばわり」して妻を威嚇したそうだ。本人が来るかと待っていたが、その後、音沙汰がなくなった。
もっとも、こんなにひどいことは一度だけだ。反対に昔の同僚や見も知らぬ遠国の人から、「あなたの投書にまったく同意します、よく書いて下さいました」と丁寧な激励や感謝の電話を受けたりする。こうしたことがあると、多少のリスクはあっても、続けて発言しようという気力が湧いてくる。
たしかに実名での投稿はリスクが大きい。私の発言をよく思わない筋からどんな脅迫をうけるかわからない。脅迫だけならよいが、家族の身辺に実害が及ばないとも限らない。そこで私は投稿によって得た臨時収入は迷惑料として妻に全額差し出していた。朝日新聞の場合、「声」の欄に掲載されると、3000円の掲載料がもらえる。年間だと3万円ほどになるので、家族でレストランへ行ったりできる。
しかし、去年、アメリカのアフガン爆撃を機に、NGOのペシャワールの会を知ってからは、こうした収入はそうしたNGOやユニセフに全額寄付することにした。投書に反対の妻も、最近は仕方がないとあきらめているようだ。私も家族を人質にとられている以上、「愛国心に富む善良な人々」を刺激するような投書や発言は、なるべく控えたいと思っている。
<今日の一句> 妻と吾 河原の名月 探しけり 裕
昨夜は十五夜ということで、夕方、妻と二人で木曽川まで歩いた。対岸に見る真っ赤な夕焼け雲が美しかったが、日が落ちても月はついにみえなかった。「月はくまなきのみを見るものかは」とつぶやきながら、帰ってきた。
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