橋本裕の日記
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| 2002年02月28日(木) |
怠け者が世界を救う? |
私は日頃からワークシェアリングを主張し、競争よりも共生をと訴えているが、これはどちらかというと、社会的強者ではなく、弱者の発想だろう。あるいは怠け者が口にしそうな意見である。たしかに私のように自分の能力に自信がなくて、しかも努力することの嫌いな不精者には、おあつらえ向きの制度かもしれない。
能力に自信があり、向上心を持ち合わせている努力家は、共生よりも競争を主張するだろう。ワークシェアリングなどとんでもないことで、才能や実力があるものが相応の努力をして、能のない人間から職を奪い取ればよいのだと考える。競争によって個人は成長するし、社会も活力が生まれて繁栄する。そうすれば、社会的インフラが整い、弱者にもお裾分けがいく。ぬるま湯に使っていては、将来ろくなことがない。
アメリカの主導するグローバリズムもこうした考え方に貫かれている。それはそれで説得力があり、こういう主張に対して、まっこうから立ち向かうのはなかなかたいへんである。これが世界の現実ではないかと言われれば、甘っちょろい理想論などはタジタジであろう。そのあげく、怠け者の戯言だと軽蔑されるだけだ。
たしかに努力した者が報われることはあってもいい。たとえワークシェアリングで仕事を分け合うとときも、その仕事ぶりによって、収入や待遇に差を付けたければかまわない。よりよい生活を求めて、各人が切磋琢磨することは、まあ仕方がないことだ。
しかし、ここで考えて欲しいのは、努力家が信奉する競争至上主義が行きつくのはどんな社会かということだ。私にはそれが怠け者が夢想する社会よりもはるかにおぞましい姿に見える。この世界を環境破壊、戦争、犯罪、飢餓やテロの横行する修羅場にしないために、私たちはもう少し怠け者になったほうがよいのではないかと、あえて考えるわけだ。
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