橋本裕の日記
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2002年02月27日(水) 一流の育たない国

 第19回冬季五輪・ソルトレークシティー大会が終わった。開会式でブッシュ大統領は「誇り高く、決意に満ちた、偉大な国を代表して」と異例の言葉を付け加えた。終わってみて、「アメリカのアメリカによるアメリカのためのオリンピック」だったという印象がしないでもない。そうした演出が目についた。

 オリンピックはいうまでもなく、ギリシャで始まった。古代オリンピックでは、祭典の数カ月前から使者がギリシャ全土にオリンピック休戦(エケケイリア)を触れ回った。祭典に先立ち、選手や審判は1カ月間、合宿して練習した。審判はさらに10カ月間合宿、規則の専門家から講習を受けたという。

 今回のオリンピックではフィギュアスケートなどの判定を巡り紛糾したり、競技の採点や判定をめぐって何かとギクシャクした。アメリカをはじめ、各国の国家意識が鼻について、かならずしも爽やかな印象を残した大会とはいえなかった。しかし、ソルトレークの次はアテネだという。ふたたび古代オリンピアの友愛の精神にかえって、競技本来の魅力を楽しみたいものだ。

 とは言っても、気になるのが国別のメダル獲得数である。上位はドイツ、ノルウエー、アメリカだが、7位に金3銀5のオランダが入っている。日本は銀1銅1で22位。金2銀2で14位の韓国にも差をつけられた。大選手団を送り込んで、鳴り物入りの報道をしたわりに淋しい結果である。

 日本がふるわないのは、多数の役員たちや報道陣・芸能人たちが選手を食い物にしているからではないか。選手の技能向上のために使われるべき資金が、多量のとりまきの接待や観光旅行に費やされていないか。八位までに入ると、入賞したと報道されるが、これは日本だけのことらしい。メダルが取れそうもないので、選手の入賞をおおげさにもちあげて、ごまかしているような気がしないでもない。

 オランダは面積も人口も日本の九州とほとんどかわらない。千数百万人の人口で金3個の活躍は特筆すべきだろう。スポーツに限らず、ノーベル賞学者の数でも、日本はこの小国の半分に満たない。ODAの援助額でも、DNP比率でオランダは日本の3倍もある。

 日本は今や政治・経済・学問・スポーツ、あらゆる分野で二流に甘んじているようだ。どうして日本はこんなにふるわないのか。私はその根本にあるのが日本の時代遅れの教育制度だと思っている。日本では営利的な大学や受験産業が子供を食い物にしている。世界に例を見ない愚かな受験体制が、日本から人材を奪い、日本を緩慢な死へと追いやろうとしている。

 私たちは将来を担う子供たちを、奴隷のように学校に囲い込んで、あたら青春の冒険心や自由を奪い、貴重な人生体験をさせることもなく、ただ体と頭を貧しく堅くするだけの受験勉強にしばりつけている。こんな愚かしい国で、世界に通用する一流の才能が育つはずがない。


橋本裕 |MAILHomePage

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