橋本裕の日記
DiaryINDEX|past|will
自然科学の分野でノーベル賞を受賞した日本人は、湯川秀樹、朝永振一郎、江崎玲於奈、福井謙一、利根川進、白川英樹の6人。それでは他の国のばあいはどうか。戦後だけに限っても、米国では180人、英国では44人、ドイツでは27人が受賞している。
この数字だけで、日本の科学技術のレベルが低いと決めつけるわけにはいかないが、日本の閉鎖的な研究環境が、国際的な科学研究者を育て、これを評価する上でのマイナス要因になっているのはたしかだ。
日本人は欧米の学者のように自己宣伝が得意でない。日本人同士でお互いの業績を認めて、他薦する体制もできていない。したがって、ノーベル賞を受賞するまでは無名で、もらってから文化勲章を受章したりする。
今年3月に閣議決定した「科学技術基本計画」には、「今後50年間にノーベル賞受賞者を30人程度輩出すること」を、国の目標として掲げている。そのための方策として、文部科学省は、国立大学を、国の予算は使いながらも国の行政組織からは切り離す、いわゆる独立行政法人に移行する方針を決めている。
また、民間の経営手法を取り入れるために、大学運営の意志決定に学外の専門家を加えることや、大学間の競争を高めるために、研究や教育の成果を第三者が評価するシステムを設けて予算配分に反映させることなど考えているようだ。
たしかに日本の大学がさまざまな問題を抱えていることはたしかである。そしてその責任の一端は「自己変革」に意欲を持たなかった大学自身が追うべきこともたしかだ。しかし、政府主導のこうした外部からの改革がどれほど有効か疑問がないわけではない。
ここで大切なのは、自らの反省点をふまえて、現場の教官たちが主体的に声を上げ、自主変革への意欲を見せることだろう。反省なき反対は、単に保身の徒と見なされても仕方がない。
参考までに、独行政反対首都圏ネットのホームページに「文部科学省による大学序列表」が掲載されているので、リンクしておこう。文科省がかねてから大学を系列化して序列をきめていたことは公然の秘密だったが、このように明確に公開されたのははじめてだという。
独行政反対首都圏ネットホームページ http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nettop.html
|