橋本裕の日記
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2001年09月15日(土) 9月11日の惨劇を思う

 NYの世界貿易センタービルと言えば、エンパイアビルにかわるアメリカの象徴だった。この110階建てのツインビルには5万人もの人々が働いていて、ウオール街のNY証券取引所にもほど近く、ユダヤ系も多く活躍する世界の金融センターで、日本企業も多数入居していた。

 9月11日午前8時45分、ハイジャックされた2機の航空機がこのビルに突っ込み、ビルは2棟とも崩壊した。行方不明者は3600人にのぼり、NY市は6000人分の遺体収容袋を準備しているという。

 世界貿易センタービルから開始された航空機を使ったテロは、さらにワシントンDCの国防総省にも襲いかかった。アメリカ軍の中枢であるペンタゴンもまた、一部が破壊されて炎上した。数百人の死傷者が出た模様だ。

 さらにペンシルベニアにもハイジャック機が突入した。この機はホワイトハウスを標的にしていたという情報もある。ホワイトハウス、ペンタゴン、世界貿易センターといえば、アメリカの政治・軍事・経済の中枢部だ。

 これはアメリカを敵視する勢力によって、周到に準備・実行された同時多発テロである。その犯行手口や規模の大きさから、米治安当局は即座に事件の黒幕として、国際テロリスト、ウサマ・ビンラーディン氏を思い浮かべたという。
 
 93年2月にも世界貿易センタービルは爆破され、多数の死傷者をだしている。主犯、ラムジ・ユセフは逮捕されたあと「ツインタワーなので片方を倒せばもう一つを押し倒して完全につぶせると思った」と自白していた。米当局はこのユセフ受刑者の言葉を思い出し、事件の黒幕だったビンラーディン氏が八年前にやり残したテロを仕上げたと考えたようだ。

 米上院は14日、報復のための武力行使を認める決議を全会一致で採択した。米政府はこれを受けて、テロ組織の黒幕とされるウサマ・ビンラディン氏が滞在するアフガニスタンへの軍事報復作戦の準備を進めているようだ。

 今度のテロ事件の背景には中東におけるアラブとイスラエルの対決がある。ビンラディン氏はサウジアラビアの大富豪の御曹司らしいが、湾岸戦争のときアメリカがイラクに軍事侵攻するのを見て、反米闘争を決意したという。今回の大規模なテロの背後に、イラクの関与がなかったと考える専門家はだれもいない。

 多発テロによって、ブッシュ大統領の支持率は30ポイント以上も上昇し、いまや90パーセントのアメリカ国民がブッシュを支持しているという。湾岸戦争のときの大統領は彼の父親のブッシュだった。そして、そのときの国防長官が副大統領になり、軍の指揮を執ったパウエルが、国防長官である。 

 アメリカの報復のための武力行使がどこまで及ぶのか、場合によっては湾岸戦争以来の緊張を世界に強いることになりそうだ。しかし、戦争による弾圧はあらたなテロ集団をうみだすことになりかねない。そのつけはいずれ払わされることになるだろう。

 報復ではなしに、もっと冷静に、世界の平和を実現するための方途を考えるべきである。そして何よりも日本は友人として、アメリカにそのことを進言し、具体的な援助の提案をするべきだろう。


橋本裕 |MAILHomePage

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