罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
大好きなヒトが横に居てぎゅっとしてくれる。 それだけでイっちゃいそうになる。
…それでも『大好きなヒト』の定義はかなり広範囲なので、 なんつーか、困ったさんだ。 それほどまでに、他人に集中して執着出来ないのはちょっと口惜しい。
誰でも良いのかも知れない。 そう考えると酷く寂しい気持ちになる。 所詮取替えの利く、そのヒトの『役割』を好きになっただけで、 そのヒト自身を好きになった訳じゃないような気がするから。
このヒトじゃなきゃ嫌だ。 そういうヒトに、僕はまだ気付いていない。 見つけてすら居ないのかもしれない。
僕に恋人なんか出来ないと、僕はよく言う。 それ以前で、愛することすら僕はまだ気付いていなかった。 そのヒト自身を見て、愛する事が出来ているのか。 それに相応しい僕になっているのか。
僕はヒトを愛する事が出来るのか、って。 時々、そう思うんだ。
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