罅割れた翡翠の映す影
目次過去は過去過去なのに未来


2002年01月31日(木) 忘却 缶太郎

忘れたく、ない。

モノ忘れが激しくなってる。
周りから見たらいつもの話なのだけど。

僕である時間の事まで忘れ始めている。
元々物覚えは悪いけれど、…。

大切だった人間との思い出も忘れていた。
幾ら忘れたい事ばかりとはいえ、忘れたくない事だってある。

それなのに、
掌に掬った水の様に記憶が指の隙間からこぼれていってしまう。

誰かに忘れられるならまだ堪えられる。
でも、これ以上僕は忘れる事に堪えられない。

忘れられたなら、悲しむのは僕だけだ。
でも、僕が忘れた時に悲しむのは。
…僕じゃない。

もう僕達は沢山の事を思い出せなくしてしまってる。
その事に気付いたら悲しむ人間がいる。
嘘をつかなきゃいけない。でも。

本当は嘘なんかつきたくないんだ。

…だから、これ以上忘れたくない。
大切だった筈の人間を騙して生きていたくないんだ。

これは代償。罰。
本来在る筈の無い僕が生きる事の。


Jade |MAILBBS

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