J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2006年02月11日(土)    友美さんは普通に聞いているだけ。

J (3.秘密の恋愛)

12. 夏の海 (4)


「・・うん、そうだね、。」
私はレイの名を聞いて一瞬ドキリとしましたが、
言葉を探して、とりあえず肯定だけしました。

友美さんは普通に聞いただけ。
夫の会社の部下について普通に話題にしただけ。
私とレイの間には上司と部下の関係以外何もないのですから。

「レイちゃん、新盆で大変でしょうね。」
友美さんは話を続ける。

「・・うん、そうだね、。でも、お姉さんもいるし、。」
「あら、そうだったかしら、。」
「うん、結婚されてて、お葬式ん時会ったのだけれど、、
 人のよい旦那さんだったよ、。」(参照こちら
「ふーん、、。」

私はレイの母の葬式の時の様子を交えながら、
友美さんにレイの家族のあらましを話す。

「・・レイちゃんには、彼氏はいるのよね?」
「・・いるみたいだよ。」
「どんなひと?」
「・・知らないよ、。」

友美さんは普通に聞いているだけ。
もと自分が働いていた会社の後輩の話を普通に聞きたいだけ。
レイを知る友美さんにとっては普通に興味を持っただけ。

なのだけど。。
この話題は私には辛い。

辛いし・・。
後ろめたい。

後ろめたい?
だいたい、なんで俺は、!
レイの実家に近い海に向かっているんだよ?


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