J (3.秘密の恋愛)
11. 一夜の夢 (9)
・・
ふぅ。 私は一呼吸しため息を吐き、 多少覚めた目で部屋を見回す。
なんだかな。 なんでこんなとこに俺とレイは、いるんだろ。 ラブホテルだぞ、ここは、、。 つい数時間前には考えもつかなかった場所じゃんか。
私は今夜これまでの経緯を振り返る。 本来の工藤純一的思考が始められる。
俺は最初、レイのこれからのこと、の話を聞くために、 今夜レイを誘ったんだった。(参照こちら)
それで、、レイが会社を辞めるって話になって・・。(参照こちら) これで終わりなんだな、ってことになって。(参照こちら)
たぶんこれが個人的にレイと過ごす最後の夜だからと、 レイに対して一度も言ったことがない言葉を、 俺は最後にレイに伝えたくなったんだった。(参照こちら)
で、俺はレイを連れ夜の公園に行き・・。(参照こちら)
そこでお互いの思い出話をしているうちに、 だんだん自分の気持ちを抑えられなくなってしまった俺は、、 レイを抱きしめて・・。(参照こちら) あげく、キスをした!(参照こちら)
そして。 俺はもう俺を止められなくなってしまって。 言ってしまったんだ、、。
「愛してる・・ 君を抱きたい・・」と。(参照こちら)
だが。 「行こう、」と言葉にレイは何も答えなかった。 俺に従いここまで来たが、 レイは何を考えていたのだろう。
俺は、俺の望みを遂げたい一心で、勢いここまでレイを連れてきた。 レイは、その勢いに引かれて、ここまで来てしまった。 そう考えられなくもないじゃないか。
俺は、この夜を一千年の夢一夜と捉えて、 直前で見ながら立ち止まっていた一線を超えることを望んだ。 心と心、魂と魂、そして身体と身体の結合を望んだ。(参照こちら)
レイも、俺と同じく望んでいると思ってた。 けれど、それは俺の思い過ごしで、レイはそれは望んでいなかった。 そう考えられなくもないじゃないか。
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