J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2005年05月27日(金)    私はレイの唇に唇を重ねました。ちゅっ、と。

J (3.秘密の恋愛)

10. 夜の公園で (15)


私はレイの唇に唇を重ねました。
ちゅっ、と。
初めは硬く閉ざされたレイの唇でした。

続けてまた私はレイにキスをする。
ちゅっ、ちゅっ、と。
うつろにレイの唇が開きました。

そして、。

3回目に私が唇を重ねた時には、
私とレイの舌は絡まり、
深い接吻となったのでした。


レイにキスをして、
私の思考はとろんと溶けてしまいました。

頭の中に何もありませんでした。
理性も倫理も道徳も建前も立場も、
まったく溶けてなくなってしまっていました。

妻子ある身ということも。
仕事上の上司であるということも。
私が何でここにいるのかということも。

まったく溶けてなくなってしまったのでした。


レイは私に身を預けていました。
私はレイの背中に手を回し、
支えるようにして抱きしめていました。

レイの体はぴったりと私に触れていました。
私はレイの体の柔らかな起伏を、
衣服越しに感じていました。


もう私は、、

私を止めることはできませんでした。



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この物語はフィクションです。

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