J (3.秘密の恋愛)
10. 夜の公園で (15)
私はレイの唇に唇を重ねました。 ちゅっ、と。 初めは硬く閉ざされたレイの唇でした。
続けてまた私はレイにキスをする。 ちゅっ、ちゅっ、と。 うつろにレイの唇が開きました。
そして、。
3回目に私が唇を重ねた時には、 私とレイの舌は絡まり、 深い接吻となったのでした。
レイにキスをして、 私の思考はとろんと溶けてしまいました。
頭の中に何もありませんでした。 理性も倫理も道徳も建前も立場も、 まったく溶けてなくなってしまっていました。
妻子ある身ということも。 仕事上の上司であるということも。 私が何でここにいるのかということも。
まったく溶けてなくなってしまったのでした。
レイは私に身を預けていました。 私はレイの背中に手を回し、 支えるようにして抱きしめていました。
レイの体はぴったりと私に触れていました。 私はレイの体の柔らかな起伏を、 衣服越しに感じていました。
もう私は、、
私を止めることはできませんでした。
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