J (3.秘密の恋愛)
9. これからのこと (1)
数日後レイは出社してきました。 少しやつれたのか、レイは幾らか痩せたようでした。 長い休みを空けての出社なので気を引き締めている、 そんな様子がありありと見えた、レイでした。
レイの不在中はみなでなんとかやりくりしていたので、 特別に大きな問題は生じていませんでしたが、 やはりレイの存在は大きく、いるといないとでは大違いでした。
レイはすぐさま仕事に取り掛かることになり。 あっという間に、一週間ほど経ち。
そのうちに。 普段と変わらぬ日々になっていったのです。
私とレイ。 上司と部下。 この関係も普段と変わりませんでした。
葬式の後の直会での話もそれっきり、でした。 あの時はいろいろとお世話になりました、と言うレイに、 私は、いや、大変だったね、と答えただけでした。
ただ、いつかはふたりで話さなければならない、 という気持ちをお互いが持っている、 そうした気配をお互いに感じ取ってはいましたが。
レイが相談したい、と言っていたこれからのこと。(参照こちら) レイの父の言った、少しばかり相談すること、なのに私に関係のないこと。(参照こちら) そして。 別れ際にレイの言った言葉。これから始まる運命、、。(参照こちら)
いつかは話さなくてはならないが、 忙しく仕事する毎日に、 いつ話すという機会も見つからず。
やがて。 8月になりました。
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