J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年10月16日(土)    直会が始まりました。

J (3.秘密の恋愛)

8. 誤解 (4)


私はほっとしている自分を見出しました。
何故と言ってやっぱり、見知らぬ人の中。
身近に知り合いが居れば心強いというものです。

それに、。
いちいち私が自己紹介せずとも、
一応私の立場をレイから説明して貰える。
だがそれは引導をすべて
レイに明け渡しているということでもあって、
煮るも焼くもレイの思い次第ということでもあった。
レイの上司であるはずの私は、
この場ではレイの思いのままになっていたのである。

しかし、私はそのことを差し引いても、
レイが隣に座ってくれたことを心で喜んだ。
まずはレイから話を聞ける。
周囲の様子を掴めることもあったし、
何よりも、レイの彼氏について、聞ける。(参照こちら
聞くことができれば、だが、、。


とするうちに、喪主のレイのお父さんのお話。
そして、献杯。

直会が始まりました。

・・

レイの母はまだ50前、亡くなるには早過ぎた。
老いて死んでも悲しみは尽きぬというのに、
残された者の悲しみは尋常なものではない。
人々は、ひっそりと、ただひっそりと、
故人の思い出話など語る話し声が聞こえては、
うつむいて涙ぐむ。

レイも。


  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)