J (3.秘密の恋愛)
8. 誤解 (4)
私はほっとしている自分を見出しました。 何故と言ってやっぱり、見知らぬ人の中。 身近に知り合いが居れば心強いというものです。
それに、。 いちいち私が自己紹介せずとも、 一応私の立場をレイから説明して貰える。 だがそれは引導をすべて レイに明け渡しているということでもあって、 煮るも焼くもレイの思い次第ということでもあった。 レイの上司であるはずの私は、 この場ではレイの思いのままになっていたのである。
しかし、私はそのことを差し引いても、 レイが隣に座ってくれたことを心で喜んだ。 まずはレイから話を聞ける。 周囲の様子を掴めることもあったし、 何よりも、レイの彼氏について、聞ける。(参照こちら) 聞くことができれば、だが、、。
とするうちに、喪主のレイのお父さんのお話。 そして、献杯。
直会が始まりました。
・・
レイの母はまだ50前、亡くなるには早過ぎた。 老いて死んでも悲しみは尽きぬというのに、 残された者の悲しみは尋常なものではない。 人々は、ひっそりと、ただひっそりと、 故人の思い出話など語る話し声が聞こえては、 うつむいて涙ぐむ。
レイも。
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