J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年04月26日(月)    もしや脳の病気か。

6. 個人的な話 (14)


「病院は。どこ?」
私は車を走らせてすぐに聞く。
「街道に出て、それから、えっと。」とレイの弟が答える。

それじゃ、分かんないよ。

「街道だね、分かった、まず街道に出よう、で、何という病院?」
「○×病院です、」
「レイちゃん、知ってるか。」
「はい、」
「じゃ、指示してね。」

車は街道に出て、レイの指示で右に曲がり、真っ直ぐ。
自然にスピードを上げる私。
かなり乱暴な運転だが、こういう事態だ、仕方ない。

その間、レイは弟に母の病状、事の次第を聞いている。

レイのお母さんは急に気分が悪くなって座り込んだ。
意識が朦朧とした様子だった。
だが少し休むと回復したようだ。
しかし心配でもあるので自分で病院に行ったらしい。
病院では原因を調べることとなり検査入院を勧められた。
そして入院。
ところが夜になって急に意識不明に。

事のあらましはこんなようだった。


もしや脳の病気か。

私はそう思いました。
が、部外者の私がいい加減なことを言うのは差し控えて、
私は黙って運転しているにしていました。

弟の話を聞いてレイの表情は曇りました。

レイもまた、もしや、と考えていたのでしょう。


3人とも無言になり、やがて車は病院に着きました。


  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)