6. 個人的な話 (14)
「病院は。どこ?」 私は車を走らせてすぐに聞く。 「街道に出て、それから、えっと。」とレイの弟が答える。
それじゃ、分かんないよ。
「街道だね、分かった、まず街道に出よう、で、何という病院?」 「○×病院です、」 「レイちゃん、知ってるか。」 「はい、」 「じゃ、指示してね。」
車は街道に出て、レイの指示で右に曲がり、真っ直ぐ。 自然にスピードを上げる私。 かなり乱暴な運転だが、こういう事態だ、仕方ない。
その間、レイは弟に母の病状、事の次第を聞いている。
レイのお母さんは急に気分が悪くなって座り込んだ。 意識が朦朧とした様子だった。 だが少し休むと回復したようだ。 しかし心配でもあるので自分で病院に行ったらしい。 病院では原因を調べることとなり検査入院を勧められた。 そして入院。 ところが夜になって急に意識不明に。
事のあらましはこんなようだった。
もしや脳の病気か。
私はそう思いました。 が、部外者の私がいい加減なことを言うのは差し控えて、 私は黙って運転しているにしていました。
弟の話を聞いてレイの表情は曇りました。
レイもまた、もしや、と考えていたのでしょう。
3人とも無言になり、やがて車は病院に着きました。
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