6. 個人的な話 (13)
「じゃね、僕は行くから。」 「ありがとうございました。」 「明日朝、連絡忘れないように、ね。」
「はい。あ、工藤さん、待って。今、ジュースか何か持ってきます。」 「いいよ。気など使わないで。早く家の人にお母さんのこと聞きな。」
車の窓越しに話すレイと私でした。
と、その時レイの家から人影が。
「お姉ちゃん!」 「あら、真人(まさと)、ただいま。」 と言ってレイは私に向き、「弟です、」と小声で話す。
「お姉ちゃん、、お母さんが、大変なんだ、 ちょうど今、お姉ちゃんとこ、オレ、連絡してたんだ、。」 「あら、大変って、」 「家に電話しても出ないし、、どうしようかって思ってたとこなんだぞ、 まあいい、早く病院に行こう、大変なんだ、ともかく、急がなくちゃ、」
「何よ。どうしたのよ。」 「お母さん、急に意識不明になったらしいんだよ、」 「え!、、何が、どうして!」 「僕も分かんないよ、さっき病院から連絡あったんだ。 お父さんだけ先に飛び出して行ったけど、僕はお姉ちゃんに連絡しとけって。」 「おじいちゃん達は?」 「家にいるよ、おろおろしてる、」
これは。 一刻も早く病院に行ったほうがいい。 私はすぐにそう思いました。
「レイちゃん。送るよ。」 「はい、」 「君、えっと、弟くん、乗りなさい、僕が送る、」
レイの弟は一瞬私を誰?という目で見ました。 が、一刻を争う今、誰でもいいと思い直したか、 すっと後部座席に乗りました。
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