6. 個人的な話 (11)
明るい気分で車を走らせて。
ん、これはドライブ気分だな。 夜の高速、レイと一緒に海までドライブ。 フンフンフン。
待て。 違う違う。 レイのお母さんが入院したんだ。 何を不謹慎な。
でも、ちょっとウキウキしてしまっている私でした。
「明日のことは気にしないでいいからな。」 「そうそう、大丈夫なんですか?急に休んで。」 「心配するな、俺がきちんとやっておくよ。で、状況を連絡してね、朝一番でさ。」 「はい、すみません。」
「お母さんも、きっと大丈夫さ。」 「そうですよね、大丈夫ですよねっ。」 「大丈夫さ。君は顔を見せて元気つけてやればいい。」 「はい、そうします。ありがとう、工藤さん。」
、、なーに、いいってことよ。
私はまた、フンフンフン、という気分。
レイは私を信頼してくれている。 これでいいんだ。
私は私のできることを彼女にしてあげる。 これでいいんだ。
私とレイは決して恋愛関係にはならないで、 こうして付き合っていけばいいんだ。
これからの人生。ずっと、ずっと。
やがて。 車はレイの実家の最寄のインターを通り、一般国道へ。 この先の道は私には分からない。
レイに道を教えてもらいながら進む。 折れて折れて曲がり道。
結構遠いな。
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