J (3.秘密の恋愛)
4. 無常 (7)
「君の気持ち?」 私はごくと唾を飲んでからそう聞き返しました。
レイは泣いている。 泣きながら、うん、と首で返事をする。
「君の気持ち、って言っても、、、。 ああ、ともかく、レイちゃん、泣かないで、君、酔ってるよ、」
しかし、レイの涙は私の涙なのだ、、、。 レイは私のために泣いてくれているのだ、、、。
何故ならば。 レイに泣かないで、と言いながら、私は心の中で泣いていたのです。
・・
レイは本当に酔っていました。 私も本当に酔ってしまっていました。
言うことが前後して、思いつくままを話して。
自分の世界に入って。 やがて、二人の世界に入って。
より一層親密さを増して、寄り添う二人でした。 肩と肩が触れ合うほどに。
「君の気持ちがどうあれ、すべて過去の話さ。 始まりなく終わった話、そしてそれはいい想い出、それでいいんだよ。」 「でも。」 「いや、いいんだ。いいってさっき君も言ったじゃんか。」 「、、、。」
しばらく黙り込む、レイ。 話はここまで、だ、とタバコを取ろうとする私。
これで、よかった、んだ。
とその時。
レイがぼそっと言う。
「私、工藤さんが、好きでした。」
、、、痛ッ
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