J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年09月19日(金)    「やです。」とレイ。

J (3.秘密の恋愛)

1. 総合職 (11)


「総合職になると何でもひとりでやらなくっちゃいけないんですよね。営業も。」
「うん、基本的にはそういうことになる。」と私は答える。
「やです。」とレイ。
「や?、なんだ、や、っていうのは、嫌だ、っていうことかい?」と私。
「はい、」とレイ。

、、、なんだなんだ、レイの奴、何言っているんだよ。
こんなにいい話なのに。


「何が嫌なんだ、これまでと変わりないじゃないか。」
「変わります。今までは工藤さんの下でくっついていればよかったのよ、
 これからは、そうもいかなくなるんじゃないですか、」
「いや、立場上は今まで通りだよ、君は僕の下にいる、」
「違うわ、今まではアシスタント、これからは部下、じゃないんですか、」

、、、うん、そういうことだな。
総合職になってアシスタントってわけにはいくまいか。


「そういうことになる、か。いいじゃないか、それで。」
「それで、って、、、。」レイは私の顔を見る。

少しの間を置いて、
「それでいい。」
と私は突っぱねるように言いました。



その時、ツっと私の心が痛みました。

ああ、これで私とレイの二人三脚は終わるんだ、、、。

長いようで短かった3年間、、、。



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