J (2.結婚)
14. 生と死 (10)
苑晩、父の通夜がありました。
私は友美さんの実家で全てを話し、 そしてとんぼ返りをしたのでした。
季節外れの雪は止み、 帰る頃には道の雪も解け、 滞ることなく私は戻れたのです。
私には大切な存在がある。
妻。 そして生まれて来た子ども。
母。 そして友美さんのご両親。
生きているその人々のために私は生きていく。
私は厳粛にそう感じながら父の葬儀を終えました。
父の葬儀には友美さんは参列できませんでした。 出産したばかりの友美さんにとっては当然のことでした。
運命。
君のおかげでゆきが生まれた。
ありがとう。
私はそう友美さんに声を掛けたものでした。
・・
翌日。
葬儀が終わり参列してくださった方々にお礼をするために、 私は記帳していただいたものを見ていました。
私はそこにレイの名前を認める。
そしてこれが次の章への布石となる。
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