J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年08月03日(日)    母子共に無事であってくれればいい。

J (2.結婚)

14. 生と死 (8)


夜中の雪降る高速道路を東へ。
はやる心。

しかし車は遅々として進まない。
往生している車があるようだ。

(ち、チェーン規制かよ、、、)

料金所の脇でチェーンを装着する。

凍える手。

(あ〜あ、こんなことをしているうちに生まれちゃうんじゃないかな、、、。)

私は天を見上げて溜息を吐く。

雪が私の顔に降り積もる。


普段であれば3時間もあれば着くはずの友美さんの実家のある町が、
今夜はきっと倍の時間がかかるだろうよ。

着くのは明け方かぁ。



母子共に無事であってくれればいい。

オレの望みはそれだけだ。

オレは君たちを守り生きること約束する。

だから無事に。

生まれてきてくれ。



やがて海沿いの道は大きく半円を描き山間の道となる。

雪は深く降り積もる。



待っていろ。

きっとオレは間に合うから。


+++

HPを引越しました。
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