J (2.結婚)
8. 酔夢 (3)
私は酩酊して前後不覚になり友美さんの傍らで眠っている。
・・・昏睡の中で夢を見ている。
酔夢、、、
・・
(、、、これは夢だ!)
・純一さん、純一さん、・ ・誰が好きなの?・ ・今、誰が好きだといったの?・
トモミさん!?
<私はレイの唇にキスをした、しかし、> <私の腕の中にいるのは、、、友美さん!?>
トモミさん!?、いつからここにいるの? あのオトコは?、あのケンジとかいうオトコはどこ?
・ケンジ?・ ・ケンジなんてここにはいないわ・ ・私はずっと純一さんの腕の中で抱かれていたわ・
ずっと!?
・そうよ、ずっと・ ・ね、純一さん、さっき、誰のことを好きといったの?・ ・私には、、、レイ、って聞こえたけれど・・・
(、、、これは夢だ、)
いや、その、ち、違うんだ、 トモミさん、それは、チガウ、
・嘘言わないで!・ ・純一さんはレイちゃんのこと、好きなんでしょ!・ ・私には分っていたわ!・ ・あなたはいつでもレイちゃんのことを見つめていたわ!・ ・どんな時も、どんな時も・・・
それは違う、嘘じゃない、 僕の好きなのは君、トモミさんだけ、、、 だから君と結婚したんじゃないかよぉ、、、 信じて、ね、ね、、、
(、、、これは夢だ、)
・、、、じゃぁ、抱いて・ ・私を抱いて、純一さん・ ・私、あなたが欲しいの・ひとつになりたいの・
抱く、抱くよ、いつでも僕は君のものだよ、 いつでもひとつになる、君が望むように僕はする、 だから、僕のことを信じて、僕は君が好きだってことを、
・ホントに?・ ・萎えることなく満足に?・
、、、ああ、満足に、萎えることなく、君を抱く、君とひとつになる、、、
(、、、これは夢だ、)
<私と友美さんはいつの間にか生まれたままの姿になっている> <しかし、私の“私自身”は萎えたまま、ものにならない> <呆然とする私、泣きじゃくる友美さん>
ゴメン、トモミさん、オレ、、、
・どうしてェェ・・・ ・どうしてダメなの、好きなのにダメなんて・・・ ・やっぱり私のことなんか純一さん好きじゃないんだわ・・・
違うんだよ、好きだから、大切に思うから、 だからこうなっちゃうんだよ、ああ、何とかならないものか、オレよぉ、、、
<いつしか私も泣き始める> <ふたりしてオイオイと泣いている>
<二人の涙は深い海の淵に流れ、そして私の身体は沈んでいく> <・・もうこれで浮かび上がってはこれない、それほど深く私は沈み消える>
(、、、これは、夢だ!)
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