J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年04月27日(日)    私を抱いて、純一さん

J (2.結婚)

8. 酔夢 (3)


私は酩酊して前後不覚になり友美さんの傍らで眠っている。

・・・昏睡の中で夢を見ている。

酔夢、、、


・・


 (、、、これは夢だ!)

   ・純一さん、純一さん、・
   ・誰が好きなの?・
   ・今、誰が好きだといったの?・

  トモミさん!?

  <私はレイの唇にキスをした、しかし、>
  <私の腕の中にいるのは、、、友美さん!?>

  トモミさん!?、いつからここにいるの?
  あのオトコは?、あのケンジとかいうオトコはどこ?

   ・ケンジ?・
   ・ケンジなんてここにはいないわ・
   ・私はずっと純一さんの腕の中で抱かれていたわ・

  ずっと!?

   ・そうよ、ずっと・
   ・ね、純一さん、さっき、誰のことを好きといったの?・
   ・私には、、、レイ、って聞こえたけれど・・・


 (、、、これは夢だ、)


  いや、その、ち、違うんだ、
  トモミさん、それは、チガウ、

   ・嘘言わないで!・
   ・純一さんはレイちゃんのこと、好きなんでしょ!・
   ・私には分っていたわ!・
   ・あなたはいつでもレイちゃんのことを見つめていたわ!・
   ・どんな時も、どんな時も・・・

  それは違う、嘘じゃない、
  僕の好きなのは君、トモミさんだけ、、、
  だから君と結婚したんじゃないかよぉ、、、
  信じて、ね、ね、、、


 (、、、これは夢だ、)


   ・、、、じゃぁ、抱いて・
   ・私を抱いて、純一さん・
   ・私、あなたが欲しいの・ひとつになりたいの・

  抱く、抱くよ、いつでも僕は君のものだよ、
  いつでもひとつになる、君が望むように僕はする、
  だから、僕のことを信じて、僕は君が好きだってことを、

   ・ホントに?・
   ・萎えることなく満足に?・

  、、、ああ、満足に、萎えることなく、君を抱く、君とひとつになる、、、


 (、、、これは夢だ、)


  <私と友美さんはいつの間にか生まれたままの姿になっている>
  <しかし、私の“私自身”は萎えたまま、ものにならない>
  <呆然とする私、泣きじゃくる友美さん>

  ゴメン、トモミさん、オレ、、、

   ・どうしてェェ・・・
   ・どうしてダメなの、好きなのにダメなんて・・・
   ・やっぱり私のことなんか純一さん好きじゃないんだわ・・・

  違うんだよ、好きだから、大切に思うから、
  だからこうなっちゃうんだよ、ああ、何とかならないものか、オレよぉ、、、

  <いつしか私も泣き始める>
  <ふたりしてオイオイと泣いている>

  <二人の涙は深い海の淵に流れ、そして私の身体は沈んでいく>
  <・・もうこれで浮かび上がってはこれない、それほど深く私は沈み消える>


 (、、、これは、夢だ!)



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