J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年03月31日(月)    私は友美さんの涙にキスをしました。

J (2.結婚)

5. 新婚旅行 (14)


「ごめんね、トモミさん、こんなオレで、、、」

そのひと言で友美さんの目から堰を切ったように涙が溢れました。

友美さんは嗚咽を上げながら、

「純一さん、ありがとう、ありがとう、」と何度も言うのです。


私は友美さんの涙にキスをしました。

そして目じりにも。

瞼にも。


優しく優しく優しく、
そっとそっとそっと、


私は嗚咽を上げる友美さんの唇にキスをしました。

震わせる肩を抱きました。


優しく優しく優しく、
そっとそっとそっと、


・・

友美さんにキスをしながら、
私の中で何もかもが流れ去っていく。

昨夜の出来事、ジェラシー、疑問、過去、、、


これからは、あるがままに君を愛するよ、トモミさん、、、


・・

しばらくして。


急に私はおどけて言いました。
「あ〜あ、これじゃあ、丸見えだよ、トモミさん。ほら。」

そう、私たちは大通りの道端に車をとめていちゃついていたわけで、、、。
まだ昼の2時ごろだったわけで、、、。

友美さんは恥かしそうに顔を赤らめました。


「よし、出発だ、もうすぐ錦ヶ浦に着く。いい景色だゾ、」

そう言って私はウインカーを出しました。


友美さんはコックリ頷きました。嬉しそうに、、、。



(5.新婚旅行、の項 終わり)



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