J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年03月04日(火)    友美さんは私が初めてでした。

J (2.結婚)

4. 二次会 (9)


友美さんは私が初めてでした。

聞いたわけではありません。

ただ、確かにその時その徴しがありました。


私が初めて友美さんを抱いた夜、それは花火の夜でした。
結婚までは身体を許したくない、そういうふうであった彼女を、
私はそうなるべくしてなるような状況の中で抱いたのでした。

確かに、、、
その時その徴しがありました。


私は彼女に毛布を掛けてやりました。
彼女は、、、「ありがとう、」とひとこと言いました。


その晩私と友美さんはSEXを楽しむために結ばれたのではありません。

私たちは力が欲しかったのです。
心と身体がひとつになった時、お互いが溶け合ってひとつの力になる。
私はそのために彼女を抱き、彼女はそのことを悟って私に抱かれた。

そんな夜だったのです。(参照 こちら


私は友美さんにとって初めてのオトコが私であるかどうか、
そんな野暮なことをどうこう考えたことはありません。

どうでもいいことです。

妻の男性歴について知ったところで何も得るものはありません。

どうこう言うのあれば、私はどうなるのです。
私は過去に何人ものオンナを抱き、そして今、友美さんと結婚するのです。


恋愛に過去なんか関係ありません。

目の前の相手を愛する。信じる。

それだけです。


結婚についてもそれと同様。

目の前の相手を愛する。目の前の相手をを信じる。

それだけです。

虫のいいような考え方ですが、私はそう思っていました。



ところが。

このケンジという男の出現は何故だか私に胸騒ぎをさせました。



、、、あの電話の男?

友美さんに結婚を5年待って欲しいと電話を掛けてきたあの男、、、。


頭の中にクレッションがいくらも浮かんでくる。


とは言え。

今は聞けない、友美さんに。

この場では、聞けない。



この席では、

友美さんに、、、聞けない。



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