J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年02月13日(木)    よっし、結婚だ。・・・オトコ、30歳。

J (2.結婚)

3. 結婚式 (2)


結婚式の前日、私は午前中に散髪をしました。

気分一新して明日を迎えたかったからです。

床屋の鏡に映った私の顔は幾分若さが失せているように見えました。


オトコ、30歳。

これからの人生は自分一人のものじゃない。

キリッっとしなくっちゃ。


私は床屋のあるじにぐっと短めに髪をカットするように依頼し、
しばらく鏡に映った自分の顔とこれまでの人生について話し合いました。


幼少の頃の思い出、
少年の頃の思い出、
青春の頃の思い出、
社会人となってからの思い出、、、

うれしかったこと、悲しかったこと、成功したこと、失敗したこと、、、

初恋、初めてのキス、初めてのひと、初めての失恋、、、

これまでの道程、これからの道程、、、


友美さん、生まれてくる子ども、


そうだ、

私は友美さんを大切にしなくっちゃ。
私は友美さんを大事にしなくっちゃ。

生まれてくる子どものために、、、


、、、

レイ?、、、


レイとのことはいい思い出だな、

今はちょっぴり辛いけれど、オレの最後の恋だったのかも、、、



けれど。

私には、生まれてくる子どもがいる。

私には、その子どもを産んでくれる友美さんがいる。


そして。

結婚式はもう明日なんだ。


、、、

散髪が済む頃には私の心は整理され、

私はすっかり晴れやかな気分になっていました。



よっし、結婚だ。

そんな気分になったのです。



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