J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年02月04日(火)    私はレイのことが気になりました。

J (2.結婚)

2. 引越し (7)


しかしその心配は取り越し苦労でした。

何でかって言うと、こういうことでした。


私たちの乗るワゴンが社宅に着くと、
鏑木さんとレイが待ち構えたように待っててくれました。


私は車から降りるなり、ふたりに礼を言いました。

「お待たせしすみません、鏑木さん、レイちゃん、
 今日はありがとうございます、せっかくのおやすみなのに、」


鏑木さんはニヤニヤしながら、「なんのいいってことよ、」と言いました。

レイは軽く会釈して、「おはようございます、」と言いました。



あれ?、二人の手にはなにやらコンビニのビニール袋が、、、


鏑木さんが言いました。
「ちょっと買出ししといてやったぞ、な、レイちゃん、」

レイは、へへ、っと笑いました。


私はすぐに事の次第を了解して、詫びながらこう言いました。

「あ、すみませんです、僕が準備しなくっちゃいけなかったのに、、、
 どうしよっかなって思ってたとこなんですよ、おいくらになりましたか?、」

鏑木さんが答えました。
「いいって、いいって、オレの気持ちだ、前祝いと思ってくれ、」

私は「そういうわけにもいかないっすよ、」と言いましたが、
鏑木さんは頑として私の申し出を断って、

「それよりも積み下ろしは3人で十分なんだろ、さっさと荷物を運んじゃえよ、
 オレとレイちゃんは酒屋にいってくるからさ、な、」と言うのです。

それを聞きつけた矢崎と宮川、
「やっぱ、一杯やるんすか?」「そうこなくっちゃ、」とか言って、、、


、、、ハイ、またまたお酒を飲みながらの話になるのです。
 
(私とアルコールは切っても切れない関係なのでご理解願います。)



私たちはさっさか荷物を運び込み、所定の位置にそれらを配置して、
すぐさま一杯飲めるようにテーブルを出し、
鏑木さんとレイが酒を買って戻ってくるのを待ちました。

鏑木さんとレイはと言えば、引越しについては何もしなかったってぇことです。

結果的に。



私はレイのことが気になりました。

レイと酒を飲むのは、あの夜以来のことですから。(参照 こちら


レイは、どう思っているのだろう、、、



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