J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年01月14日(火)    いつしか私は、性的なものに興味がなくなって、

J (2.結婚)

1. 結婚前夜 (3)


当時の私はまだ30歳でした。

当然その方面の欲望がないわけではありません。

正常な機能と精力を有している正常な男でした。


ただ、
友美さんの前では、その欲望は忽然と消え失せた、のです。



私は友美さんを大切にしなくっちゃ。
私は友美さんを大事にしなくっちゃ。

生まれてくる子どものために、、、



私は何をしても、そのことが頭に浮かびました。


、、、いつしか私は、

性的なものに興味がなくなって、

生まれてくる子どものことばかりに興味を持つようになっていくのでした。



私は妊娠や出産についての本を買い、
夫としての役割はこうあるべきだ、というようなことを勉強し、
それを友美さんに話しては実践しました、


私にできることならなんでもやりたい、、、

私はそう思いました。


私は必死にすがっていたのかも知れません。

レイとのことで自分の存在意義を失っていた私にとっては、
これ以上にない私の存在価値を見出したかのようでしたので。



そうした私の変化を、友美さんはうれしそうに見ていました。

私が友美さんを気遣うたびに、
にこっと微笑みながら、「ありがとう、」と言ってくれました。



私は私で、そうしてうれしそうに友美さんに言われると、
また、より一層友美さんを大切にし大事にしました。

そうすることが私にとって大きな喜びとなっていったからです。



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