J (1.新入社員)
2.夏季研修 (9)
昼の海の家での酒も残っていたので、 宴会は当初から盛り上がっていました。
新入社員は入れ替わり立ち代り、 私のところにも酒を注ぎにきて、 私もそのうちに席を立って注ぎに回り、 席に戻ると友美さんも注いで回っていたりして、 二人しての話はそれっきりになりました。
レイも同様に酒を注いで回り、 私のところにもきて話もしましたが、 なにせ酔っている席での会話なので、 何をどう話したかは覚えていません。
8時が過ぎた頃、中締めをし、9時には本締めをしました。
私はへべれけになってしましましたが、 友美さんとの約束は覚えていましたので、 ちょっとしたら散歩しようと考えていました。
その時、大卒の新入社員の安田が来て、 実はこれからカラオケに行こうと思うんですが、と、 どうですかという顔つきで私に問い掛けました。
「これからかい?、誰が行くんだ?、」 「新入社員の一部、いや大卒はみんなです、高卒の子は何人か、 女の子はみんな誘ってみようかと思っています。」 「おい、それはだめだ、オレたちは遊びに来ているんじゃない、 恐れ多くも会社の行事、それも夏季研修に来ているんだからな。」
私は少し考えて言いました。
「それに、カラオケっていったって、このあたりにはないぞ、 町まで車で出なくてはならない、事故でもあったら大ごとだよ。」
安田は渋々した表情で言いました。
「でも、みんなこんな早くっから寝れませんよ、 工藤さんはどうするんですか?、もう寝るんですか?、」
「オレは、、、(友美さんと散歩に行って来る、)」、 、、、とは言えませんでした。
「う〜ん、それも、、、そうだなぁ、、、うん、 じゃ、A部長に相談してやるよ、ちょっと待ってろ、な。」
私は思わぬことを請け負ったような振りをしましたが、 私とて皆と一緒にカラオケに行きたかったのも事実でした。
私は、酒好きのA部長、B課長とをうまく巻き込んで、 なら会社の行事としてみんなでカラオケに行こう、 という話になりました。
メンバーは、A部長、B課長、私と友美さん、 それと酔いつぶれた一部を除く新入社員、
レイを含む女子新入生も当然一緒でした。
私たちはタクシーに分乗し、雨の中、 民宿で紹介されたスナックに向かいました。
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