J (1.新入社員)
2.夏季研修 (10)
スナックは先に電話を入れてありましたので、 既に席は用意されていました。
B課長が音頭をとって、 全員がばらけて座るようにしました。 私は友美さんに目配せをし、 私と離れた席に座るように促しました。
もともと私も友美さんも、 人前でベタベタするのは好みませんでしたし、 またこれは会社の行事の一環ですから、 私達だけの世界を作ってはならない事ぐらい心得ています。
レイも、私からは離れた席に座りました。
最初レイは私の隣りに座ろうとしたのですが、 安田が、 「工藤さんの隣りが樋口さんじゃかわいそうっすよ、 ここまできて上司のソバはないよね〜、」 とか言って、レイを自分の隣りに呼びましたので、 私は、それもそうだと思い、レイに、 「あっちに座ったら?」と席を替えさせました。
実際にはそうとう飲んでいたので、 こんなに冷静な会話ではなく、 ヨッパライの話し方で会話されていたのですが。
総勢20人位のメンバーなので、 誰がどこに座ってどうだったかということは、 殆ど覚えておりません。 誰がいたかも記憶に乏しいところです。
人が入れ代り立ち代り歌を歌って、 その都度、席も変わって隣りに座る人も変わり、 それぞれにバカ話を繰り返していたように記憶しています。
ただ、いつしか私の隣りにレイが座って、 その時話したことははっきりと覚えているのです。
レイは少し酔っていました。 私は大そう酔っぱらっていました。
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