J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年11月27日(水)    レイは少し酔っていました

J (1.新入社員)

2.夏季研修 (10)


スナックは先に電話を入れてありましたので、
既に席は用意されていました。

B課長が音頭をとって、
全員がばらけて座るようにしました。
私は友美さんに目配せをし、
私と離れた席に座るように促しました。

もともと私も友美さんも、
人前でベタベタするのは好みませんでしたし、
またこれは会社の行事の一環ですから、
私達だけの世界を作ってはならない事ぐらい心得ています。

レイも、私からは離れた席に座りました。

最初レイは私の隣りに座ろうとしたのですが、
安田が、
「工藤さんの隣りが樋口さんじゃかわいそうっすよ、
 ここまできて上司のソバはないよね~、」
とか言って、レイを自分の隣りに呼びましたので、
私は、それもそうだと思い、レイに、
「あっちに座ったら?」と席を替えさせました。

実際にはそうとう飲んでいたので、
こんなに冷静な会話ではなく、
ヨッパライの話し方で会話されていたのですが。


総勢20人位のメンバーなので、
誰がどこに座ってどうだったかということは、
殆ど覚えておりません。
誰がいたかも記憶に乏しいところです。

人が入れ代り立ち代り歌を歌って、
その都度、席も変わって隣りに座る人も変わり、
それぞれにバカ話を繰り返していたように記憶しています。


ただ、いつしか私の隣りにレイが座って、
その時話したことははっきりと覚えているのです。


レイは少し酔っていました。
私は大そう酔っぱらっていました。



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