J (1.新入社員)
1.面接 (3)
部長と人事課長がいなくなると、 レイは少し緊張がほどけたようでした。
「さあ、もう、リラックスして下さいね、 僕は君を面接するために来たわけじゃないんだから。」 「はい。」 「では、これからもし君が入社したらやってもらう仕事について、 簡単に説明するよ、いいですか?」 「はい。」
改めて彼女を見ると、 どこにでもいるような女子高生ながら、 最近の子には珍しくキャピキャピしたところがなく、 落ち着いていて芯が通っているように感じる。
髪は長めのストレート、艶やかな黒髪、 昔の日本美人のような目鼻立ち、 身長は160cm以上はあるだろうか、 背筋がしゃんとしていて、スタイルもよさそう。
(ふーん、) おっと、オレ、何考えているんだろう、
「それで、その前に言っておきたいことがある。」 「はい。」 「これから話す仕事は、実は君が志望している経理部の仕事じゃない。」 「、、、」 「営業部、それも、昨年新しく立ち上げたばかりの新規事業の話だ。」 「、、、」 「もし聞いてみて、イヤだな〜、 って思ったら、はっきりとそう言うこと。」 「、、、」 「たった一度の人生なんだから、さ、 自分の望まない道に流されるように進まないこと。、、、いいね。」 「、、、はい。」
レイはこの時、 真っ直ぐ顔を私に向け、私の目を見てしっかりと答えました。
私はこの時、 この子はもしかしたらものになるかもしれないと思いました。
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