Christmas Seed
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2003年12月26日(金) |
「クリスマスのまえのばん」 |
ターシャのクリスマス絵本、とっておき。 日本では1980年に出版され、ターシャが全面的に描き直して 1999年に改訂版が出ています。 本書はさらにその後、翻訳などを一部改訂したものです。
原題は「The Night Before Christmas」、このタイトルは 猫やのハロウィーンでおなじみのティム・バートン作パペットアニメ、 「The Nightmare Before Christmas」(ナイトメア・ビフォア・クリスマス)の ネタ元ともなっています。
文章(詩)を書いたクレメント・ムアは、アメリカでは この本の作者として知られる、聖書学の教授だそう。
雪にうずもれた農場へ、 サンタクロースがやってきて、去ってゆくお話。 部屋のなかには、猫や犬やネズミやフクロウが いっぱいいて、なんともにぎやか。 暖炉はあたたかく、 すみっこは暗く、 動物たちはうれしそう。 地下のネズミにいたるまで。
<寄り添って眠る猫のいる幸せ>
ターシャの描くサンタさんは、小柄な小人のおじいさん。 だから、エントツの穴もらくらく通れるし、 8頭のトナカイたちも、軽々と屋根の上に ソリを引き上げられるのでしょう。
トナカイの名前は、 ダッシャー、 ダンサー、 プランサー、 ビクスン、 コメット、 キューピッド、 ダンダー、 そしてブリッツェン。
農場の犬たちは、ウェルシュ・コーギー種のようで、 3匹のコーギーと5匹の猫がサンタさんに すり寄って甘える場面が特に素敵。
表紙の見返しは犬が、 裏表紙の見返しでは猫が、 楽器を奏でています。
『あざみの綿毛が飛ぶように』夜空を遠ざかる サンタクロースのソリ。 月光をあびて、クリスマスの空気を 贈りものとともに残してゆきます。 (マーズ)
「クリスマスのまえのばん」 著者:クレメント・クラーク・ムア / 絵:ターシャ・テューダー / 訳:中村妙子 / 出版社:偕成社2001(改訂版)
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