Christmas Seed
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2002年12月12日(木) |
クリスマスローズ・その2 |
朝、窓を開けると一面の霜。 わが家のヘレボラス・ニゲルは 白い庭で白い蕾を開く時を待っています。
去年花が咲いた時、「なんでこんなところに陶器のかけらが?」と 一瞬不思議に思ってしまいました。 落ち葉が厚く積った地面から10センチ足らずのところに 純白の花が冬の光を放っていたのです。
クリスマスローズ。 厳冬に花開く一重の薔薇の形の花。 強い毒を持つ黒い根を地中に潜め、 純白の花弁を顕わす奇跡の花。
驚いた事に、一度開いた花弁は、そのまま閉じる事なく 色を白から緑に変えて、種が実るまで留まり続けます。 花弁と見えたのは萼だったのです。 私が薬用植物園で初めて見た地味なクリスマスローズは、 開花から日数が経って白から紫褐色に 変わりかけていたものだったのでしょう。 種がこぼれると、翌冬小さな芽が出て楽しみが増えます。
輝く真冬のクリスマスローズの花が緑色にくすみ、 寒さがゆるみはじめる頃、 うつむいた紅や桃色や色変わりの花弁がシックな園芸品種、 復活祭前のレントの時期に咲くレンテンローズ、 ヘレボラス・オリエンタリスが花開き始めます。
(ナルシア)
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