Christmas Seed
[ 目 次 ]
← past & will →
2002年12月11日(水) |
クリスマスローズ・その1 |
庭の植え込みの下の地面から、 クリスマスローズの真っ白いつぼみが頭を覗かせています。
この花を初めて見たのははるか昔、大学の薬用植物園。 寒々と枯れた園内にぽつぽつと地べたに咲く花を見て、 華麗な名の割に地味だな、というのが第一印象でした。
その地味なクリスマス・ローズがずっと気になっていたのは 古代ギリシャでは有名な「毒草」だと知ったからでしょうか。 学名 helleborus niger、 helein「死に到らしめる」bore「食べ物」。 nigerは「黒」。 その黒い根には強心作用がある、という事は 用量次第で心臓を止める事ができる。 だから薬用植物園にあったのですね。
最近人気のピンクや紅色、混色の美しい園芸用クリスマスローズは ヘレボラス・オリエンタリス、 「春咲きクリスマスローズ」「レンテンローズ」 などと呼ばれる春咲き種です。 真冬に咲くクリスマスローズは上記のヘレボラス・ニゲル、 折からのクリスマスロ−ズ人気でオリエンタリスほどではないにしろ、 ここ数年で身近な園芸店でも入手できるようになったので、 半日陰になる庭木の下にひっそりと植えてあるのです。
一度植えたら掘り返す時は空にワシが飛んでいないか 気を付けなければなりません。 『鷲がヘレボラスを掘っているところを見ると その人に死をもたらすのである』(ディオスコリデス/ギリシャの医薬学者)
(ナルシア)
|