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4月24日→「純愛中毒」雑感をUP(ネタばれ注意)
冬のソナタ雑感もどうぞ。


2004年06月30日(水) 「ブラザーフッド」

「ブラザーフッド」を観て来ました。
もう、なんて言うか、「きゃードンゴン!」「きゃーウォンビン!」なんて言ってる問題じゃないですね。
ちょっと暇だから映画観よっか、って次元の映画じゃない。
重くて深くて悲しくて痛ましくてやりきれなくてたまらない、そんな映画でした。
もちろん戦争映画だからそのつもりで覚悟して臨みましたが、想像をはるかに超える残酷さに何度も目を覆い、途中何度その場から逃げ出したいと思ったか分からなかったほどです。
「んーやっぱりハリポタにしとけば良かったか?ドンパチとオバケならオバケの方がまだましかも、や、オバケの方がやっぱりイヤか?」
…とかなんとか、しょーもないことをぐちゃぐちゃ考えていたりしてました(笑)
って、いや、そんな笑っている場合じゃない。笑って話せる内容じゃないから、まったく。

(以下、ネタばれ含みます。ご注意ください)










前半は、普通の家族が戦争によって引き裂かれてしまうむごさが描かれていました。
チャン・ドンゴン演じる兄ジンテとウォンビン演じる弟ジンソクが揃って兵士としてとられてしまうんですが、それがあっという間で、別れを悲しむ間もなく、現実を現実として受け止める暇もなく、ただただ運命の流れに翻弄されてしまう。
いや〜、最初からうるっときました。
オンマ(お母さん)がね〜。泣かせるのよこれがまた〜。
言語障害を持っていて、言葉を話せないと言う設定なんだけど、それがまた泣かせるんだ。
息子たちが戦争に向かう列車に無理やり乗せられ、あっという間に家族が引き裂かれてしまうんだけど、その列車を追いかけるオンマがね〜。
列車を追って走って走って走って走り続けるオンマに泣かされました〜。
叫べないのに心の叫びが聞こえるようなそんな必死さが伝わって、オンマ〜〜〜〜(涙)って感じでした。

展開が速く、これまたあっという間で、兵士としての訓練もそこそこであったかどうか分からないくらいで実戦に立たされてしまう二人。
いきなり、心臓に悪いような、食欲が一気になくなりそうなシーンの連発で、開始1時間もしないうちに、
「これじゃあ主役二人は死ぬべ。あと1時間半どうすんだ?」
と思ったほどでした。
や、戦争って酷いもんですね。
そして、残酷な場面を観ている間じゅう思っていたことは、
戦争はこんなにも人を狂わせるのか?
と言うこと。
ジンテは体の悪い弟を除隊させたいがために何でもしようとします。
どうすればいいか何度も上に掛け合います。
そして、一つだけ方法があると教えられます。
それは、自分が英雄になること。
この戦争で勝利に貢献し、英雄となり、勲章をもらい、高い地位を掴むことによって、弟を除隊させることができると。
兄ジンテはただそれだけのために必死で戦います。
弟ジンソクはがむしゃらに戦う兄の姿を奇異に思いながら、自分のためだと言うことを後で知ります。
そこまで兄弟を想うその愛の深さに理解を超える感動を覚えましたが、……それだけじゃ済まなかった。
ジンテは勝利を勝ち得るたびに、ヒーローになるたびに、だんだん自分を見失っていきます。
目的は弟の除隊のためであったはずなのに、次から次へと与えられる栄誉に感覚が麻痺し、目的を逸していきます。
いえ、ジンテだけじゃない。他の人たちも、だんだんと人間らしさを失っていきます。
同胞を殺めたり、もう、何がなんだか分からなくなってしまいます。
その変わっていく姿は本当に恐ろしかったです。
戦争は人間を実際に殺すだけでなく、人の心も殺していくかのようです。
壊れていく、何もかも、何もかも。
本当に戦争と言うものは恐ろしい。
誰が敵か、誰に向かって自分は戦っているのか、もう何もかもが曖昧で、ただ、戦うために戦っているような、または、もっと大きな別の何かに向かって銃を向けているような、そんな感覚を覚えました。

でも、そんな彼らも、やはり人間。
ジンテも人間らしさを完全に失ってしまったかと思ったがそうではなかった。
ジンソクがある時自暴自棄になってケンカに自ら巻き込まれ、傷を負ったんですが、そんな弟を見つめるジンテの瞳が非常に切なかったです。
と言うか、あの時にやっと、人間らしさを取り戻すことができたんでしょうか?
ドンゴンのあの瞳が本当に切なく、印象に残ります。
その晩も、傷だらけのジンソクをそっと見舞い、肩までふとんをかけてあげるジンテ。
あのシーンもうるっときました。

その頃からまたジンテは弟を除隊させて欲しいと、本来の自分の当初の目的を思い出し、何度も上に掛け合うようになります。
そんな時に、あることからジンソクが死んだかと思わせる状況になります。
映画の冒頭のシーンが現在(2000年)で、戦争を生き残った一人の老人が登場するんですが、これが兄弟のうちどっちか分からなかったんですね。
なので、このシーンで、ああ、あの老人はジンテだったのかあ…と私は勘違いします。
て言うか、私、勝手に、あれはジンテで、ジンソクが戦争で死んで、それを許せなかったジンテが生き残った後に弟ジンソクとして生きたんだろう…と思っていました。友にそこまで深読みするか?と笑われましたけど(笑)
と、それは置いといて。
ジンソクが死んだと。
それを知ったジンテはまたまた狂います。
弟を殺した韓国軍を恨み、あろうことか寝返って北朝鮮軍につくことになります。
ジンソクは生きていたのに…。
ええ、ジンソクは生きていたのです。ビックリしました。いるじゃんウォンビン!と、友達と顔合わせて驚きました(笑)
ジンソクは兄の状況を知り、そしてラストの山場のシーンへ。

北朝鮮軍に潜り込み、兄に会おうとするジンソク。
自分が生きていることを知らせ、兄を立ち返らせたいと。
そっからがドンゴンの見せ場でしたね。
二人がやっと再会することができるんですが、やっぱりそれはドンパチの最中。
ジンテは相手が弟ジンソクと分からず、ものすごい形相で殴り続けます。
この時のドンゴンがね〜、いや〜この人のドラマはまだ観たことがなく、どんな演技をするのか知らなかったんですが、すごいです、このチャン・ドンゴンて俳優さん!
白目向いて弟に殴りかかる姿は本当に怖かったです。目がイッちゃってるし。
この人、誰?って感じ。
て言うか、この人、人間?って感じ。
いや〜、今回、ウォンビンの演技にもまた感心させられたけど、このドンゴンて人はさらにすごかった。お見事。

話し戻って。
弟だと早く気付けよ〜オイ〜と必死に願いましたが、やっと気付くジンテ。
生きてたのか!生きてたのか!…と弟をきつくきつく抱き締めるジンテ。
ドンパチの中、やっと兄弟が兄弟に戻りました。
そう、やっと、やっと、戻ることができた。のに…。
何故か弟だけ戻して自分は戦い続けるんですね〜ジンテは…。
なんで一緒に逃げなかったのか?と思いましたけど、あれは、あの時ジンテはもう死ぬ覚悟だったんでしょうね。
死んだと思った弟が生きていた、もう、それだけで良かったんでしょう、ジンテは。
あとは、弟から、流れ飛ぶ銃弾を一つでもシャットアウトしようと、銃砲を今度は北朝鮮軍に向けて放った。いや、どこに向けているかなんて問題じゃない。弟を守るために天に向かって、さっき言ったもっと大きな別の何かに向かって打っているかのように見えました。私には。
それで結局、銃弾に自ら当たり、命を落とすことになりましたが。

このシーンはもう号泣でした。
映画館ではいっぱい人がいるので(当たり前)恥ずかしいからホロッとくることはあっても号泣することはあまりないんですが、
これは、号・泣…でした。
ハンカチびしょびしょになりました。
友も、隣の人もそのまた隣の人も、みんな号泣でした。「赤信号皆で渡れば怖くない」みたいな(笑)
もうね、私はジンテの気持ちになった。
彼は、本当に嬉しかったと思う。
死んだと思った愛する弟が生き返った。こんなに嬉しいことなんてないんじゃないか。
愛する弟を守り抜くことができた。この誇り。これはどんな勲章にも替えがたい栄誉なんじゃないかと。
そうして、幸せな充足感の中で死んでいったんじゃないかと。

ああ、書いているだけでまた泣いてしまいそうです。
映画終わった後も、エンドロールが終わって明かりがついても、放心状態でしばし立ち上がることができませんでした。
BoAちゃんの曲もこれまた良くてね〜。
泣き疲れて今もかすかに脱力感(笑)
いや〜、おすぎさんが言ったとおり。「目の前にワイパーが」いったね(笑)


そんなこんなで、めっちゃ書き殴ってしまいましたが、本当にいい映画でした。
考えさせられました。
そして、ウォンビンは可愛かったでした(お決まりね)
オープニングの時に主役二人からのメッセージがあったんですが、ウォンビン、日本語で。友がチョー喜んでました(笑)
会場内からも「きゃ〜カッコイイ〜」と言う黄色い声が沸いたんですが、それはオープニングまで。あとは、会場内シーン…そして、泣き声。。。
ウォンビンとドンゴン。あの撮影は本当に、本当に、大変だったろうと思います。
お疲れ様でした。いい映画をありがとう。とひと言、言いたい。
けど、もう二度と観ないだろうと思います。いろんな意味で辛くて、もう、無理です。
そのへん、どうかお許しあれと、もうひと言だけ追加しておきます(笑)


bear |