千石×日々の戯言。 ―其の九―


 雨。

 雨の日、外出歩くの嫌い。
 そもそも、傘を差すのが厭だ。
 面倒だし、何より……、一緒に歩いてて距離が遠くなるから。


 シューズを見に行きたい、って云ってたら、丁度観月も探したいモンがあったらしく、ぢゃあ一緒に買いに行こうって約束をして待ち合わせ。
 放課後デートの待ち合わせは、大体駅ビルの中の本屋。
 どっちかが待ってる間、退屈しないから、丁度良いってコトで。

 俺が付いた時にはもう観月は居て、何か難しそうな本が並ぶ棚の間で、手に取った本をぱらぱらと捲ってた。
 近寄って俺がそれを覗き込んだら、ちょっと驚いて、
「普通に声を掛けて下さい。」
 だって。
 観月の素の時の反応って、ツボなんだよね。
 面白いっていうか、可愛いっていうか。

 駅から出ようとして気付いた。
 観月が傘を持ってない事に。
 あれ?朝から雨だったよ?
 その疑問を口にしたら、駅に来る途中に壊れたらしい、という事が判ったけど、どうして壊れたかは云わなかった。
 何したんだろう……。
 すっげ気になるんだけど。

 そんな俺にお構いナシで先を歩く観月。
 ショップに行く前に傘を買いたい、って。
 それに付き合ってから、いざ駅から出ようってトコで閃いた。
 相合傘しようって。
「各々傘を持っているんです。そんな不利益な事をする必要が何所にあるんですか。」
 そう言いながら、さっさと自分の傘を広げようとするから、食い下がって云ってみる。
 ぢゃあ俺は差さないで、勝手に観月の傘に入るから、って。
 呆れたを通り越した表情で、観月は溜め息を吐いた。
 ショップまで近いんだし、いいぢゃん。
 なお主張を。
 そしたら、
「勝手にして下さい。」
 だって。
 許可って取っていいんだよね?


 駅からショップまでの短い距離を、手を繋ぐよりも近い距離で歩ける相合傘。
 雨の日の、ラッキ―。



 ■伝言■

 中途半端だなぁ(苦笑)。
 観月の性別が『受け』とか云ってた教祖様の発言を思い出して今日は千観。
 千石が観月を呼び捨てで呼ぶか、クン付けで呼ぶかちょっと悩んだ。
 で、今日のヤツは呼び捨てだな、と。
 観月の名前は“はじめ”ではなく、“観月”。
 苗字名前関係なっしん!
 観月は、観月。


2003年11月20日(木)

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