LUV@www …2003年04月28日(月)
「俺さぁ彼女いんじゃん? うん、もう4年かな。 でも最近気になる娘がいてさ。 俺がシスコであっちはシアトルなんだけど。 実はまだ会ったことないんだよね、って知り合ったのが何か言い辛いんだけどネッtキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!」
21世紀最大の出会いツールはWWWであることは御前等もご存知の通りでしょう。 福井やブカレスト、台北やモンテヴィデオ、ドレスデンやバマコで、自宅で、会社で、WWWカフェで、または漫画喫茶で猫も杓子も出会いたがります。
「どうなるかわかんないけどネットはただのきっかkキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!」
WWWで知り合った恋人を持つ、あるいはWWWで知り合った馬の骨に恋心を抱いている出会いた我リヤさんたちが口裏を合わせたように吐かす常套句は「ネットは単なるきっかけ」、「たまたまネットで知り合っただけ」または「ネットは知り合うための目的じゃなくてただの一手段」です。 目的ではなく手段に過ぎない。 反論を挟む余地もなさげなそこに陰毛一本分の切り込み口があるとするなら、何故こちらが一言も挟まない内からまるで言い訳のような弁明をぶちかますのかということに尽きますが結局アレだろ、たとえばふたりが三三九度の酒を酌み交わすとして、披露宴で媒酌人にカッポルの出会いはWWWと大っぴらに紹介されることは何だか知らないけど気まずいかもしれないらしい、ということを感じ取っているからだろう御前等? それに「たまたま」も何も、御前と御前がWWW外で現実的に、実際に知り合う可能性はマイナス天文学的数字じゃねえのかと。 それに目的も手段もあるか。 そもそも「きっかけ」て何だ馬鹿。 御前と御前は現にWWWという媒体を介して出会ってしまったわけです。 裏を返せばWWWという媒体を通してでしか巡り会う可能性はなかったと言い切ってしまうのは乱暴に過ぎるでしょうか。 俺のような底意地の悪い第三者は目的のためには手段を選べないからなゲラゲラ!と思うかもしれません。 要するに後出しジャンケンみたいなセコくて恥かしい奇麗事はやめて開いた口が塞がらないぐらい開き直って堂々としてほしいの。
「話も合うし似た者同士なんだよね。 俺は美大の写真科と映像科出てるじゃん? 今は御前と一緒で絵をやってるわけだけど。 向こうはインダストリアルデザインの勉強してるからアート畑同士っていうか。 実際に話したことはないけど、あ、でも写真は見たな。 え? 別に普通だよ。 でも、顔はどうでもいいsキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!」
容姿は二の次。 そう吐く輩によってその言葉が説得力を持ち得るか否は変わるにせよ、恋心(かもしれない)という名の怪物に取り憑かれたふたりはやがて自然に会って話がしたいという自然摂理的欲求に駆られ、Bダッシュで初顔合わせの手筈を整えます。 だがしかし待ち合わせ場所に現れたのが養豚場から逃げ出してきたばかりのような一匹なら御前はどうするおつもりだと。 それでも「ツラはどうでもいい」と言えるでしょうか、それとも一刻も早く温かい貧乏アパートへ帰る算段と中途退席の言い訳をそれはもう必死で計算し始めるのでしょうか。 もちろんふたりが物理的に逢瀬へと辿り着くまでにはドラマドラマで挨拶に始まり、趣味や話が合うといった些細なことからふたりはいつしか心を通わせるようになり、87枚撮った内で一番映りが良い加工済みの画像を互いに交換し、虚像相手に妄想を抱きチョメチョメチョメチョメ、時には「これってLIKE? それともLOVE?」、あるいは「アタイ/俺は寂しいだけ?」と頭の悪い自問自答を繰り返し、腹の探り合いと駆け引きといったメイクドラマな脳内ラヴの手順を第一回から丁寧に踏みそして超ウンコなふたりはそれを恋と呼びますキャアアアアアアア!!! コバケンこっちに戻って来てちょうだい!