土曜の夜に『となりのトトロ』をビデオで見て、今さらだがさつきとメイの家に住みたくなる。本気で東京から離れることについて考えた。「働く」「暮らす」。2つのことが、また頭の中でこんがらがった。
働いていると、うまく暮らせない。それでも仕事に不満があるわけではない。むしろ強く望んで就いた職だ。けっこうな労力を使って転職までした。それでもぐったりして自炊する時間もなく、彼とろくに顔も会わせずに眠る生活を、正しいとは思わない。眠ったり料理をつくったり、掃除をしたりじっくり思索をして暮らす方が、自分には向いていると思う。
そう思う日も、ある。
だからというわけではないが、(だからというわけでもある)自休自足のCDとカフェの本を買った。ライブにも行く予定。
ところで東京から離れるなら、どこに行くのが良いのだろう。そのイメージが、まだできない。尾道や江ノ島は大好きだけれど、きっと仕事がない。鎌倉・葉山が乙女の基本だが、土地勘もないし海がそこまで愛せるのか分からない。北海道は寒い。沖縄はなんだか大げさな気がする。だからといって埼玉に出戻りでは灰色の人生だし、千葉ではライバル(埼玉のね)の地に足を踏み入れる気がしてなんだか納得がいかない。
路地と川のある、さびれた小さな街が好きだ。夕方になったら周りが暗くなって、「ああ、帰らなきゃ」と思う感覚を、もう一度取り戻せたら。
一泊旅行をするたびに思う。日本では多くの人が、食べるものにも困らずコンポとパソコンと冷蔵庫と掃除機がある家庭に当たり前のように暮らしている。にも関わらず、仮に私が地方に行ってできる仕事といったら農家見習いか地方のタウン誌編集部か自称フリーライターくらいしかない。それらだって危ない。つくづく不思議な国だと思う。
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