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2006年12月02日(土) けんか

仕事で徹夜明け、そのまま美容院に行く。店を出るころには、あたりはもう暗くなっていた。携帯電話に実家から何度も着信があり、折り返しかけたら少しむすっとした声で母が出た。

「誕生日前だから帰ってくるかと思って準備していたのに、全然連絡がとれないんだもん」という。ケーキと赤飯を作るか、ずっと迷っていたらしい。そういえば少し前に、「一緒に大宮で誕生日プレゼント買おうか」と話していたのを、すっかり忘れていた(その時は、私の機嫌も良かったのだ)。

色々小言を言われたことに腹が立って、「こっちはね、仕事でいつも忙しいの。来週も再来週も、いつ休みが取れるか分かんないし、それをどうしていちいちお母さんに伝えなきゃいけないわけ?」と反論してしまう。混み合う休日の原宿駅で、周囲の雑音に負けないように大きな声を出した。

がちゃんと電話を切った数分後に、「悪かったかな」と不安になる。「結婚したらお誕生祝いだってできないんだから」と言って、餅米を水につけて赤飯をたく準備をしてくれていた母の気持ちが、すこしずつしみてきた。

すぐに再度連絡をし、「ごめんね」と謝った。さっきは興奮していた母も、「そんなね、忙しくない時に来たらいいから。疲れたらいつでも戻っておいで」と落ち着いていた。お互い「ごめんね。じゃあね、バイバイ」と言って切る。この人とけんかするときはいつも、相手の話も聞かずにお互いばーっとヒートアップして、それを忘れた頃に、お互い、謝って終わる。バカな母子だ。

寒い駅のホームから電車に飛び乗ると、冬特有のこもった車内のあたたかさが、うれしかった。買い物をした休日の人たちの、紙袋がこすれる音。ベビーカーをひいた家族連れ。「バナちゃんのおかげで人生が変わった」。母が昔のアルバムを見ると必ず言ってくれる言葉が、ふっとよみがえる。


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