ガス・ヴァン・サント監督作品は、 去年「誘う女」をビデオで見て、 少年の焦燥感を描くのが上手な監督だなあと 思っておりました。
この作品では、プロの俳優は大人の3人だけで、 あとは監督の地元オレゴン州ポートランドで行われた オーディションで選ばれた地元の高校生が 普段の学生生活そのままを、 淡々と流れるように見せてくれます。 カメラは、ドキュメンタリー作品のよう。 後半にいたるまで、 ごくごぐ普通の日常。 セリフもほとんどなく、 一人一人を追っていく。 なので、同じ画面で挨拶を交わすと、 同じシーンが、別の角度で繰り返されていくという 手法がとられています。
監督自らこの作品について 見た人が、原因はなんだったのか。 それぞれが明らかにしていくということで、 実はこの映画、ある意味試されているかもしれません。 こうだったからああなったと。 普通の日常だからと油断していると 思わぬ落とし穴が待ち構えているかも知れないという。 銃社会の生んだ闇が、あるかもしれないという。 自分の目で見たことから、導き出す事件の原因。
でも、正直81分の中で、その意図を汲み取ること。 見終わった後のなんともいえない気分。 評価はかなり分かれると思います。 私としては、あの終わり方は納得できなかった。 監督の意図とは別にして。
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