あずきの試写室

2004年04月23日(金) 「エレファント」

ガス・ヴァン・サント監督作品は、
去年「誘う女」をビデオで見て、
少年の焦燥感を描くのが上手な監督だなあと
思っておりました。

この作品では、プロの俳優は大人の3人だけで、
あとは監督の地元オレゴン州ポートランドで行われた
オーディションで選ばれた地元の高校生が
普段の学生生活そのままを、
淡々と流れるように見せてくれます。
カメラは、ドキュメンタリー作品のよう。
後半にいたるまで、
ごくごぐ普通の日常。
セリフもほとんどなく、
一人一人を追っていく。
なので、同じ画面で挨拶を交わすと、
同じシーンが、別の角度で繰り返されていくという
手法がとられています。

監督自らこの作品について
見た人が、原因はなんだったのか。
それぞれが明らかにしていくということで、
実はこの映画、ある意味試されているかもしれません。
こうだったからああなったと。
普通の日常だからと油断していると
思わぬ落とし穴が待ち構えているかも知れないという。
銃社会の生んだ闇が、あるかもしれないという。
自分の目で見たことから、導き出す事件の原因。

でも、正直81分の中で、その意図を汲み取ること。
見終わった後のなんともいえない気分。
評価はかなり分かれると思います。
私としては、あの終わり方は納得できなかった。
監督の意図とは別にして。


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