英国人の彼女
6年間の遠距離恋愛の末、イギリスに嫁いできました。ロンドンで息子と3人で暮らしています。

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2003年12月15日(月) イラチ

自分が日本に馴染んできたなあ、と思うとき。
   ↓
エレベーターの「閉」ボタンを連打しているとき。

最貧民国のエレベーターには「閉」ボタンがないんですよ。なくても生きていける機能は何一つ付いていない。エレベーターの外に普通ならあるはずの上・下ボタンもないところが多いくらいです。ボタンは一個だけ。エレベーターが停まってから、上に行くか下に行くか、すでに乗っている人に聞いて乗る。上に行きたいのに、下行きのエレベーターの場合は、あきらめて1回下に降りるか、下からエレベーターが上ってくるのを待つ。単純明快です。

そして、エレベーターの中にも、階数を示すボタンはありますが、「閉」ボタンはまずありません。「開」ボタンは見たことがありますが、ないものも多々あり。閉まりかけたドアに向かって誰かが走ってこようものなら、腕や足をドアに挟んで止めるしかありません。そんなわけで、エレベーターに乗れば、自動的にドアが閉まるまで待つという習慣が、いつの間にか身に付いていたのですが・・・

日本に帰ってみれば、ここは関西。イラチな関西人は、一回押すのと連打するのと何も違いはないのにエレベーターの「閉」ボタンを連打することで有名です。日本に着いてしばらくは、「閉」ボタンの存在すら既に忘れており、パネルの前でじっとドアが閉まるのを待っていたものですが、(そして横の人が手を伸ばして「閉」ボタンを押すのを見て初めて存在に気がついたものですが、)こちらに戻ってきて早三ヶ月。いつの間にか、ボタンを連打している自分に最近ふと気がつきました。

嬉しいような、悲しいような。


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