【M先生のメルマガより引用】
お盆は長野の実家で過ごしています。着いて早々、母の実家で法事 がありました(こちらは「新盆(にいぼん)」という言い方をしま すが、鹿児島では「初盆(はつぼん)」が一般的であるように思い ます)。 お経をあげに来てくださった住職が、東京外大の教授でもあられる 方で、受け持っておられる授業をラ・サールの卒業生が受講してい ると伺いました。これもご縁と驚いています。
そのご住職から、お盆についてこんな話を伺いました。 「お盆」は3〜4世紀ごろの中国で漢訳された「盂蘭盆経」が元に なった風習であるようですが、近年の研究で「盂蘭盆(うらぼん・ お盆の正式名称)」がご飯など食べ物をお供えする容器を意味する ことが明らかになったそうです(以降の要点は省略します) つまり、日本の風習としてのお盆は、文字通り「お盆」であったと。
このお話を伺った時、私の頭は「容器のお盆が風習としてのお盆に。 そこにはメトニミー的なプロセスが生じていたのかなぁ」と妙なこ とを考えていました。明らかに、「言語の本質」(今井むつみ/秋 田喜美)という今話題の本を読んでいた影響です。 オノマトペに対する私の認識を根底から覆してくれたこの本につい ての話題はいずれに譲るとして。
メトニミー(換喩)とは近接性に基づく比喩です。 「寒いから鍋を食べましょう」 「おーい、ヤカンが沸いてるぞ!」 「あの先生の努力には頭が下がる」 全てメトニミーです。 そしてこのように書き出してみると、比喩表現は「和文英訳の素材 の宝庫」であることに気づきます。ある言語に特有の言い回しが生 まれる背景には、「比喩を使う力」が働いていることが案外多そう ですね。 「言葉自体の意味と、それが実際に指しているものとがずれていて も、私たちは難なくそれらの表現を理解できてしまう。それは一体 なぜなのか?」 そんな認知言語学的な問いを、高2、高3での和文英訳の授業の中 で紹介できたらおもしろいかもしれない!
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