+女 MEIKI 息+
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上っ面でもいいから、褒めて欲しい。 欲を言い出したらキリないけど。 出来たらその上っ面さ加減を上手に隠しつつ 巧く騙して欲しい。
その場限りでいいのに…。
都合悪いときに言い訳する その最後に『…ってどうよ?』って言われて あまりの間抜けさに、笑ってしまうことだってあるのに 黙るなんてズルイよ。認めるなんてズルイよ。
懐かしい蒼い記憶が蘇るような夕暮れ 別れ際に「またね」って言わせなかった 意地悪してるうちは、まだまだなんだろうなあ。
置き忘れた思い出を呼び起こすように もっと素直になりたい。
日も落ちた夕飯間際に、 材料が足りなくて買い物に出た。
大きなスーパーの駐輪場に自転車を停めて ほんの少し話しをするつもりだったのだけど 柵に凭れるように腰掛けながら長電話をした。
片足をブラブラとさせながら ふっと自分の格好を相手に告げると 慌てて出てきたサザエさんのようだと言われた。
いくら近所だからって…な、格好
スッピンにスウェット、髪は引っ抓めてアップして ピンクのファ付きなミュールに赤いペティキュア そう説明したら「ストリッパーの休憩時間」と言われた。
まんざら間違いじゃない。 ただ、こんなストリッパーが居たら 興行アガッタリだけどね。
ストリッパーと言えば 彼女たちは、あの最後の小さな布切れを取った時 器用に腕にクルクルと巻くけれど あれは、お約束なんだろうか。
一人の部屋に帰りたくない奴 自分の居場所が見つからない奴 大勢で居ても、お前は独りなんだよと確認させて 虚勢と嘘が火花を散らし 滲んだ蛍光塗料で書かれた立て看板や 原色のチューブライトの下で 強すぎる香水の香りで煙に巻いているお姉さん 雑踏と他愛もないお喋りと 酔っ払いと泣き虫が巣食う街
そろそろ、そこの 明け方のあの静けさの中 カラスに負けじと ヒールの音でも響かせてみっかな。
懐かしい蒼い記憶が蘇るような夕暮れ
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