+女 MEIKI 息+
DiaryINDEX|過去のことさ|次
どっから話せばいいんだろ 何から話せばいんだろ
話していたいって思っても 言葉が見つからなきゃ 沈黙を刻む秒針の音が こめかみから胸へと突き刺さるだけ
手探りで触れた指先の感触は トモダチの声を掻き消して 心の呟きを内へと向かって繰り返す
わたしはあんたを好きなんじゃない。 好きなフリをして、胸を熱くするフリをして そんな自分を楽しんでるだけ
一人の女が居る。 その女の書き出す文章から、その日に起こったことを知り、その時に思った感情を知り、そして次への予想をしつつ厭らしく楽しむわたしが居る。 女の苦しむさまを読んで、まさに楽しむわたしが居る。 女の愛する男の、女からは見えない部分のほんの一欠けらを知っているだけで、女の苦悶が視聴率を稼ごうとしているドラマに見えてしまう。苦しめば苦しむほどに。 自分しか愛せない男を、傷ついている男として「愛している」と言うことが滑稽に見えてしまうのは、きっとわたしの心の底にある妬みが成せるのだろう。そんなふうに考えてもやっぱり違うと呟きながら。 一つの恋愛話は、わたしの知らない処で起こるから映画のようにのほほんと感じる。 彼や彼女、そのどちらかの一面を知っているというだけで、まるで知らない片方が肴になってしまう。
手懐けるゲームが流行ってるのか。冷たいゲームに酔っているのか。 本人たちが真剣なほどにその部分だけが浮き出ている。
「人を真剣に愛したことがないのでしょう?だから、感情が捻れているのよ。」
そうかもしれない。
|