目次過去未来


2004年06月25日(金) 樽掃除



 そろそろ暑い夏が来るので、昨年に仕込んだワインを醸造用瓶から木樽に移しかえた。
 樽は、ソーダ灰を水に溶かしたものを満たし、栓をして、絵を描いている足下において時折蹴ってやる。
こうすることで、樽内に付着した葡萄滓などの除去促進になる。十二時間位続けたら捨てて水ですすぎ、次は殺菌、相当する重亜硫酸塩ナトリウムを適量溶かすのだが、これが強烈な刺激臭があり、むせながらの作業。ここからは、筋力トレーニングのつもりで、十二リットル入りの樽を持ち上げ、ひきつけ振り回す。真上に持ち上げた樽を、頭の後ろに、肘を固定した状態であげおろし。
ふらふらになりかけた頃、完了。

樽の外側には亜麻仁油を塗っておく。ワインを移しかえ、専用の冷蔵庫に入れて、これから一年寝かせて、、瓶詰めコルク打ち。
 快汁葡萄鏡(日本三大名鏡のひとつ海獣葡萄鏡(国宝) のもじり)頁を作ったのだけれど、作業途中を記録しながらの作業は難しく、途中の行程を幾度も記録し忘れてしまう。で、今に至るも更新されていない。

 今ワインは、AOC(原産地管理呼称・フランス)ワインが六百円位で買えるようになった。もう自家醸造ワインには、実益は無く、閑人の趣味となってしまった。ビールと違って、手間ひまかけて作っても美味いものが出来るとは限らない。樽熟成させたからと言って、味がよくなる保障もない。

ようするにひとりよがりの、手間のかかる趣味ということだ。
わざわざ作り方を発表しても、きっと、手打ち蕎麦の蕎麦打ち風景を見せるようなもので、誰も見やしない。だから、更新はどうなるかわからない。

 途中のワインを味見をする度に、フランスの昔からのワイン作りの文化伝統に、敬意をはらってしまう事になる。
他方、日本の清酒に至っては、難しすぎ、素人には到底できないレベルで、西洋がパスチャライザシオン(火入れ)を発見する二百年前に、すでに日本酒の世界ではそれが行われていた。他国の酒を造って、わが国の酒のすごさを知る。

  










myrte21 |MAILHomePage