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駅前英会話学校の TV宣伝をよく見かける。意外な人が流暢なフランス語や日本語・イタリア語 を喋る。コマーシャルは、「人間見た目ではないよ、意外な人が意外な言葉を喋る!」というわけだ。しかし、 テレビの画面で見る、あの軽率な日本語を使う何人か知らないあの男の人は、ひょっ としたら、漫才の西川きよしの奥さんのような環境(日本で生まれ日本で育った)の人かもしれない。イタリア語喋っているおばさんも、ひょっとしたら、イタリアに生まれ、永く住んでいたの かもしれない。そう言う意味で、四方海に閉ざされた、殆どが日本人だけの環境で生活している日本の国でしか、このコマーシャルは有効ではない。
日本以外の国に出かけた経験を持つ人は多いと思うが、外国で、まるで普通に時間 を聞いてきたり、道を訪ねられたりする経験をした人は多いと思う。ある時、いかにも馬鹿面してパリのフォーブルサントノレ通り(日本の女の人が有名店目当てに群れる場所)を歩いていると、車に乗った黒人が「兄ちゃん、今何時?」と聞いてきた。突然の事でびっくりした。いかにも観光客然とした日本人(東洋人で身なりが良いのは日本人と、カフェの主はいう)を捕まえて、時間聞いたって通じるかどうか分からんかもしれないと、思わないところがすごい。 が、逆はないだろう?我々は日本で道行く外人に(京都の場合)「松原通りどこですか?」とか、「南禅寺どこ」とかまず聞かないだろう。
あのコマーシャルをもっと有効に作るとするなら、日本語で喋っていて突然各国語に切り替える事だ。こうすると、とても効果的で、見た目とかなんとかいう問題は吹っ飛び、へーっと感嘆することを請け合う。
あんまり、衛星放送を見ない人は知らないだろうけれど、ここ二三年、日本人のアメリカ野球進出などで、なんだかようやく、国際的日本人が出てきたような錯覚があるが、大リーグでインタビューをこなす日本人は長谷川投手位しかいないだろう。 だが、もう、オートバイのレースではとーっくに国際人?日本人レーサー達が活躍している。各クラスでしゅっちゅ う上位を独占する。 原田・宇川・加藤選手他、ヨーロッパ戦などの優勝インタビューを堂々と英語でこなす。ひとしきり勝った状況、反省点を英語でぶった後,突如日本語に切り替えて喋りはじめる。これが、なんだか見ていてとても恰好いい。日本のオートバイとレーサーがあんまりすごいので、それとなく見ている内に虜になった。
F-1は人材は多くないのに、スポーツニュースで特集される。 、オートバイレーサーは名前を宙であげても、6人はすらすらと出てくる位、上位に幾度も上り個性的で実力のある人達がいる。なのに、なぜか分からないが民放で取りあげられる事が少ない。最近中野真矢選手がようやく、トヨタだったかの車のコマーシャルで見られるようになったが、多くの人は知らないだろうと思う。この人も、日本語・英語をみごとに使い分ける。
が、なぜか 最近英語インタビューはカットされている。どういう意図なんだろうか?駅前駅前言わなくても、ああいう素のドラマを見ていると、子供たちは確実に外国語にも興味をおぼえる。 そしてそれにも増して、日本のオートバイの存在が圧倒的なのだ。レースを見る限り、ホンダ・ヤマハ・ カワサキ・スズキ、上位に入ってくる外国のメーカと言えば、アプリリアしか記憶にない。それくらい圧倒的なのだ。日本人選手が入賞していなくても、一位から殆ど入賞者の乗っているオートバイは日本製なのだ。
もう二十年位前になるが、フランス行きの飛行機は主に、アンカレジ経由だった。アンカレジの待合いで時間待ちをしていると、初老の日本人のおばちゃん掃除婦達(最近看護婦は差別語でいけないから「婦」を「師」に変えて看護師というのだそうだ。この場合もそうしたら、掃除師というのか?ペテン師・山師・詐欺師これと同じあやしい仲間に入れるわけだ?)が、モップ片手に喋っていた。こちらに移民に来た人達なのかなと思いつつ、 ぼんやり聞き流していた。
おばちゃんA:「うちの孫がね、息子に、「「だって… なんじゃらもん じゃらはなもげら??」」と、こうなのよ!」
おばちゃんB:「あら!うちだってそういうこと、「「…まつばでちょん ばれびーぱっぱよ!」」だっていってるわよぅ!」
一瞬、我が耳を疑った。解読不可能な言葉。あらためて 喋っているおばちゃん達をみた。そして耳をそばだてて会話をよく聞いた。会話中に日本語と英語を、見事なくらい切り替えるのである。空港だから日本人も多い、聞かれて不味いことは英語でということらしかった。 人は環境のなかで、せまられれば、話せるようになる。駅前に行っても、使うこと少なければすぐ忘れてしまうだろう。それだったらきちんとした日本語を習おう。最近、日本人の日本語が乱れているという事を日本にいる外国人から聞く。
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