■TRASH■

2005年11月08日(火) インスパイア?

最近、漫画や小説の、他作品からの類似点において、
出版差し止めや、絶版などが多くあげられていますね。

「これ」は、今日のニュースで知ったのですが。

三原順さん。

小学校高学年くらいから、中学生にかけて、
おおはまりにはまった漫画家でした。

「はみだしっ子」「ルーとソロモン」「SONS」
「ムーンライティング」

外国を舞台にした異国情緒あふれる世界に、
ならべられた小難しい言葉に、それはもう完膚なきまでに
やられてしまったわけですよ。

上のリンクにのっている、あげられた類似点の言葉を見ても、
すでに何十年も前の、しかも少女マンガの台詞とは思えません。

そこには色んな理由で苦悩する少年や少女たちが、
わたし達に生き方を、笑う意味を、絶望する理由を問いかけるのです。

寂しい心をかかえて生きていた、そんな思春期の頃のわたしは、
彼らの絶望に自分の心を重ねて酔い、また理不尽な大人の世界を憎んだものでした。

年を重ねてから読み返すたびに、理解できなかった事がわかるようになったり、
その理不尽だった大人たちの言動が理解できるようになっていたり、
新たな発見がある他には得がたい作品だと思います。

実はわたしが手に入れた時は、既に連載が終わって久しくなっており、
古本屋を探しに探して全巻集めたものです。

そうした古本屋を回って探すというのも、まるで宝探しのようで、
知らない街に行っては、本屋や古本屋で抜けてしまった巻数を見つけ、
特別なカードや、特別な特集本などに出会える喜びも与えてくれたのでした。

当時わりと賢かったつもりですが、それでもかわいらしい絵柄とは裏腹に、
内容は辛らつで難しく、そんな理解出来ない言葉や、
思想(キリスト教の文化の国ですからね)や考え方を、
何度も何度も繰り返し読んだものです。

当時の人が多く感化されたように、
わたしの心の中を構成するものには、
彼女、三原順の言葉が多く含まれているのです。

(花とゆめのコミックス版、文庫版、新装された文庫版と、
 3回買ってるしw
 一番新しい、白泉社文庫版には、コミックス版や愛蔵版には
 収録されなかった「ついに出てこなかったサーニンの顔」が
 入っているという理由だけで買いました。
そうです、マニアなんですよ!)

きっと真似しちゃった人も、そういう一人なのでしょう。
ただ、自分の言葉や考えに、昇華出来なかったのがいけないのでしょう。

影響を受けることと、その本質を理解せず、ただ模倣することは違います。

とりあえず、三原作品はそのように多大な影響を与える作品だ!
ということを書きたいだけなんですけどね。

あーまた久しぶりに読み直そうかな。
今度はどんな発見があるのでしょう。
一生、捨てる事はない手元においておく漫画であります。


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